このブログは、2017年7月に本社のプロダクトマーケティング部門のAllen Frumanskiが執筆したブログ「XenApp & XenDesktop 7.15 LTSR – The Blockbuster Release of the Summer」を日本語訳したものです。

現場で実証された1,200万行を超えるソースコード。セキュリティ、柔軟性、ユーザーエクスペリエンスに関わる最新の優れた機能を採用。XenApp and XenDesktop 7.15長期サービスリリース (LTSR) 業界で最も総合的で実績のあるアプリケーションおよびデスクトップデリバリーソリューション。

長期サービスリリース(LTSR)とは

XenAppおよびXenDesktopのリリースは、以前はほぼ1年に1回のペースで発表され、重要なアップデートが組み込まれていました。大企業のお客様の多くは、今後何年にもわたり本番環境の標準化に最適と思われるバージョンを評価する必要がある一方で、最新の機能や性能を求めるお客様は、リリースには時間が掛かり、将来の要件は時間と共に変化すると考えています。

このようなお客様からのフィードバックや、Microsoftなど、業界の他ベンダーとの連携を考慮して、2016年1月にシトリックスがカレントリリース(CR)と長期サービスリリース(LTSR)戦略を発表し、史上初のLTSRとしてXenApp and XenDesktop 7.6 Feature Pack 3を公開しました。

カレントリリース(CR)には、最新機能が含まれ、通常、3~9か月ごとに利用可能になり、お客様は利用可能になった時点で最新のCRにアップデートすることが推奨されます。LTSR(長期サービスリリース)は、通常2~3年に1回と頻度は少なく、お客様が導入すると、その後数年間維持されるように設計されています。シトリックスのサポートは最大10年間で、その間修正を含む累積アップデート(Cumulative Updates: CU)が利用可能になります。詳細については、XenApp and XenDesktop Servicing OptionsおよびLTSR FAQを参照してください。

このリリースの特長とは

XenApp and XenDesktop 7.15 LTSRは、基本的には、現場で実証済みのXenApp and XenDesktopの2017年リリースの強化バージョンで、内部テストやお客様からのフィードバックに基づいて様々な修正とアップデートが加えられています。さらに、Windows Server 2008 R2からWinsdows Server 2016まで、およびWindows 7からWindows 10までと、幅広いOSプラットフォームに対応しています。遡及的に宣言された最初のLTSRとは違って、このLTSRおよび今後のLTSRには、固有のバージョン番号およびLTSR表記が使用されます。これにより、長期にわたってLTSRサイトの識別が簡単になります。ただし、7.15 LTSRには7.14 CR向けの修正とアップデートが含まれているため、このLTSRは、CR(カレントリリース)を採用しているお客様も含め、すべてのお客様に導入していただく必要があります。

先に述べたように、XenAppおよびXenDesktopが重視する3つの主要な領域は、セキュリティ、柔軟性、ユーザーエクスペリエンスです。次に、この構想をさらに掘り下げて、いくつかの過去の7.xリリースからこの7.15 LTSR至るまでの個々の重要ポイントについて説明しましょう。

セキュリティ

IT組織が行うことは、すべてにおいてセキュリティを重視している必要があります。アプリケーションとデスクトップの性質上、企業の機密データが数百または数千の分散されたエンドポイント(その多くは管理されていない)ではなく、データセンター内で維持されることを保証できるのは、仮想化だけです。

XenApp and XenDesktop 7.15 LTSRは、もっとも厳しいセキュリティ基準でテストされ、FIPSおよびCommon Criteriaなどの業界認知の対象となり、GDPRプランにとって不可欠な部分です。

さらに、Federated Authentication Serviceにより、企業は多種多様なアカウントタイプ(Google、OKTA、Pingなど)からのリソースへの安全なフェデレートしたアクセス(いくつも異なる認証基盤を連携・経由して、確実に企業情報リソースへ認証)を提供できるようになります。

企業の合併買収だけでなく、契約社員のアクセスにも理想的で、追加のActive Directoryアカウントを作成する必要がなくなります。Secure Boot、Credential Guard、Shielded VM、およびその他のMicrosoftテクノロジーのサポートにより、ハッカーがネットワークに侵入した場合でも、全体的なリスクを低減します。AppDNAセキュリティ分析は、レガシーコンポーネント、シグネチャ、旧式のAPIコール、FIPSコンプライアンスなど、アプリケーションの脆弱性を分析し、ベンダーが修正できるようにします。

柔軟性

シトリックスでは、プラットフォームを選択できることで、お客様がニーズとインフラストラクチャに最適な製品を使用して環境を設計できると考えています。最も広い範囲のMicrosoftオペレーティングシステムをサポートしている理由はそこにあります。たとえば、サーバー側ではWindows Server 2008 R2からWindows Server 2016まで、デスクトップ側ではWindows 7からWindows 10までサポートしています。ハイパーバイザーとクラウドについても、XenServer、Hyper-V、vSphere、AHV、Azure、AWSだけでなく、高速グラフィックス処理が必要なワークロード向けに、NVIDIA、Intel、AMDのGPUをすべてサポートしています。

優先ゾーン設定を使用することで、企業はサイトのリソースを効率よく利用できるだけでなく、ユーザーに常に最適な接続ルートを提供できるようになります。Local Host Cacheテクノロジーの拡張により、バックエンドデータベースへの接続が遮断されていても、サイトは稼働を続けられます。拡張されたレポート作成とアラート機能は、管理者とヘルプデスクのスタッフが環境を適切に使いこなし、正しく活用できるよう支援します。

ユーザーエクスペリエンス

優れたユーザーエクスペリエンスは、ビジネス生産性を向上させます。ユーザーが求めているのは、鮮やかなグラフィックス表現、マルチメディア、および幅広いデバイスのサポートを備えたデジタルワークスペースです。XenAppおよびXenDesktopがこれらすべてを提供します。画期的なEnlightened Data Transport (EDT)テクノロジーを採用したHDXにより、あらゆるシナリオに最適化されたセッション機能が、ネットワークの状態が厳しい場合でも、実現しうる最高のユーザーエクスペリエンスを提供します。

ビジュアルは、最適な鮮明さとパフォーマンスを実現するために、UDPプロトコルをインテリジェントに使用し、コンテンツタイプ(ビデオ、イメージ、テキスト)に基づいて自動的に最適化されます。Linuxの拡張サポートには、Linux 公開アプリケーション、Linux 専有デスクトップ(VDI及び共有型デスクトップクライアントが含まれ、Windowsと同様にシームレスなエクスペリエンスを実現します。

XenServer – LTSR適合した初のハイパーバイザー

さらに、XenServerもLTSRプログラムに組み込まれます。製品ライフサイクル日程は、XenApp and XenDesktop 7.15 LTSRの最長10年の全サポート範囲と整合しているため、XenServerはXenAppおよびXenDesktopのワークロードにとって理想的なハイパーバイザープラットフォームです。最も幅広いGPUの選択肢、Hypervisor Introspectionテクノロジーを使用した最高レベルのセキュリティ、パフォーマンスを最適化するPVSアクセラレータ、ライブパッチ機能、その他様々な機能を提供します。Customer Success Servicesを利用しているXenAppおよびXenDesktopのお客様はすべて、XenServer Enterprise Editionの使用権を有しています。近々発表される詳細情報をお楽しみに。

このバージョンにアップグレードする理由

この記事を読んでいる皆様は、現在XenAppまたはXenDesktop環境を利用しているのでしょう。そこで、なぜ今なのか、なぜこのバージョンなのかということが問題になります。先に述べたように、このLTSRにより、お客様は長年にわたる実績のある機能セットを標準化することができ、これが、最大の理由です。

XenApp 6.5のお客様にとって、XenApp and XenDesktop 7.15 LTSRは、使い慣れた機能に加え、クラウド統合、 シンプルなイメージ管理、さらに他にも多数ありますが、何と言ってもプラットフォームのサポートの拡張など、主要なエンタープライズ機能をすべて備えています。また、XenAppとXenDesktopに共通のアーキテクチャにより、XenAppのお客様はホステッド共有アプリケーションおよびデスクトップを使用し続けることができ、今後必要に応じて製品ライセンスをアップグレードするだけで簡単にVDIを追加できます。6.5から7.xへの移行が正しい選択と言えるその他の理由については、「7 Reasons for Moving to XenApp 7」および「Why You Should Migrate from XenApp 6.5 to 7.x: A Story in Videos」を参照してください。

現在XenAppおよびXenDesktop 7.xを使用しているお客様は、最新機能、修正とセキュリティのアップデートのために、このバーションへの移行をぜひ検討してください。これは、LTSRで今後長年にわたり標準化の基盤にする場合も、新しいリリースが入手可能になるまでカレントリリース(CR)を使用する場合でも、同様です。

このLTSRで変わること

他にもいくつか重要なアップデートがあります。

  • 今回初めて、XenApp and XenDesktop Serviceとオンプレミス15 LTSR VDAを組み合わせることで、Citrix CloudはLTSRのメリットを享受します。
  • すべてのXenApp and XenDesktop CRおよびLTSRの製品ライフサイクルが更新されました。最新情報は、製品ライフサイクルのサポートポリシーおよび関連ページで確認してください。
  • Subscription Advantageの販売終了に伴い、LTSRのメリットは、Customer Success Servicesを保有することで利用可能になります。

このバージョンに移行する方法

7.15 LTSRスクリーニングのチケットを入手する準備はできていますか。XenApp and XenDesktop 7.15 LTSRへの移行をできる限りスムーズに行えるようにするリソースをいくつか用意しています。以前のXenAppおよびXenDesktop 7.xバージョンを実行しているお客様は、直接このバージョンにアップグレードできます。仮想マシンも含め、すべてのサイトデータが保持されます。

XenApp 6.5をご利用のお客様は、初めにXenAppのアップグレードおよび移行をご覧ください。このページには、初期準備から、新しい7.15 LTSR環境にリソースをデリバリーするまでの全行程に必要なすべての情報があります。

XenApp and XenDesktop 7.15 LTSRへのアップグレードと移行に関する詳細については、製品マニュアルを参照してください。
Get XenApp and XenDesktop 7.15 LTSRを今すぐダウンロード

壮大なスケールの歴史的大ヒットリリース。この映画のようなショーは、絶対に見逃さないでください。このマジックを自分の目で体験してください。2017年8月1日現在でCustomer Success Services (CSS)が有効になっているお客様は、今すぐXenApp and XenDesktop 7.15 LTSRをダウンロードすることをお勧めします(SAはCRとしてのみ有効です)。

参考情報:オンデマンドセッション「XenApp & XenDesktop 7.15 LTSRの最新アップデート」

https://www.citrix.co.jp/lp/xenapp-xendesktop/apjjpn-0817-xa-xd-webinarrecorded-q3-l-newxaxd-att/