本ブログは2017年6月に Citrix R&D India の Vindhya Gajanan が執筆したブログ「Citrix Director on Cloud」を日本語訳(意訳含む)したものです。

■サマリー

  • Citrix Cloud の XenApp and XenDesktop Service でサポートされている Citrix Director の機能を解説し、併せて従来からの製品版 XenApp & XenDesktop の Citrix Director 機能との比較をします。

■以下本文

Citrix Director は、Citrix XenApp and XenDesktop Service の監視およびトラブルシューティング用Webコンソールです。本機能を利用して、XenApp および XenDesktop 環境を管理する管理者は、マシン、インフラストラクチャ、アプリケーション、セッションを監視およびトラブルシューティングできます。

Citrix Cloud でも Citrix Director は利用可能でしょうか?管理者は Citrix Cloud に展開されているアプリケーションやセッションを監視してトラブルシューティングできるでしょうか?

はい、可能です。

Citrix 管理者は Citrix Cloud 上で XenApp and Xendesktop Service から配備されたマシン、アプリケーション、セッションを監視およびトラブルシューティングすることができます。

Citrix Cloud にログインし、XenApp and XenDesktop Service ページに移動すると、”Monitor” タブが表示され、クリックすると Citrix Director が表示されます。

[XenApp and XenDesktop Service のトップページ]

[Dashboard 画面]

[Trends ページ内の Sessions]

[Filters ページ]

ここでは、Citrix Cloud でサポートされている Citrix Director の機能の説明と、その使い方を解説します。

  • Dashboard (ダッシュボード):管理者は Dashboard を使用して、監視しているサイトの健全性と使用状況をグラフィカルにリアルタイムで表示できます。管理者は、過去1時間以内に発生したすべての接続の接続セッション数と平均ログオン時間だけでなく、ユーザー接続の失敗、VDI(デスクトップOS)と RDS(サーバーOS)の両方のマシン障害を表示できます。Dashboardの 詳細はこちらをご覧ください。
  • Trends (傾向):Trends ページでは、問題の分析と予測に役立つさまざまな観点でのサマリーが表示されます。Trends の詳細はこちらをご覧ください。
  • Filters (フィルタ):Filters を使用して、重要な事項の監視やトラブルシューティングを分析、掘り下げ、フォーカスすることができます。これは、ユーザーの問題解決に役立ちます。Filters はマシン、セッション、接続、アプリケーションに分けられています。
  • Session Details (セッションの詳細):Session Details は、ログオンにかかった時間、HDX チャネルの状態、セッションで実行されているアプリケーションとプロセス、およびセッションが実行されているマシンの詳細など、ユーザーセッションの詳細を提供します。管理者は、これらの詳細を参照して、ユーザーセッションのトラブルシューティングを行うことができます。Session Details の詳細はこちらをご覧ください。
  • Alerts と Notifications (アラートと通知):設定されたしきい値に達したときに警告を表示するポリシー、ルール、および条件を設定できます。Citrix Director を通じて予防的なアラートと通知を設定および管理できます。Alerts と Notifications の詳細はこちらをご覧ください。
  • Power 操作 (電源操作):シャットダウン/再起動、強制シャットダウン/再起動(MCS 経由の管理対象マシンのみ)、メンテナンスモードは、[Machine Details](マシンの詳細)および [Session Details](セッションの詳細)ページで利用できます。
  • Session 操作 (セッション操作):ログオフ、切断、シャドー、メッセージの送信、アプリケーション/プロセスの終了、プロファイルのリセット、PvDリセットは [Session Details](セッションの詳細)ページで利用できます。:セッションを Shadow (シャドー)するには、マシンが展開されているのと同じネットワークから Citrix Cloud にアクセスする必要があります。
  • Export (エクスポート):過去2時間/過去24時間から1年間の範囲内のデータは、Trends ページから PDF、CSV、Excel 形式でエクスポートできます。:製品版の Platinum Editionで使用できるほぼすべての機能は Citrix Cloud でも利用できます。データの保存期間は90日間です。そのため、表示される期間も90日間までです。

では、Citrix Cloud の Director は製品版の Director と何が違うのでしょうか?

下記の機能は Citrix Cloud の Citrix Director では使用できません:

  • HDX Insight:HDX Insightの 監視は Citrix Cloud では使用できません。
  • インフラストラクチャ:ダッシュボードおよびマシンの詳細ページに表示されるインフラストラクチャの詳細(サイトの一部であるコントローラで実行されているサービスの状態)は、Citrix Cloud では使用できません。
  • Alerts と Notifications の PowerShell 設定:Citrix Cloud のリモート PowerShell でポリシーを設定することはできません。アラートポリシーを設定するには、Director でアラートポリシーを使用する必要があります。
  • 管理者権限の委任:Citrix Cloud では「管理者権限の委任」を使用できません。すべての管理者は完全な管理者権限を持ちます 。

最後に、Director 利用時の注意を記載します。

  1. ブラウザで第三者 Cookie を有効にして Director(”Monitor”)を読み込む必要があります。
  2. ブラウザ用に Ad Blocker がインストールされている場合は、cloud.com サイトでは無効になっていることを確認してください。
  3. アップグレード後の Custom Reports:Director に保存された Custom Reports クエリは、Citrix Cloud のアップグレード後に使用できません。

詳細については、下記を参照ください。

https://docs.citrix.com/en-us/xenapp-and-xendesktop/service/director.html

Citrix Cloud 上の XenApp と XenDekstop の監視とトラブルシューティングは、容易です。XenApp and XenDesktop Service の “Monitor” は、これらを行うのに役立ちます。