Citrixプラットフォーム宣言から1年、プラットフォームはどう進化したのか?プラットフォームはお客様のビジネスにどのように貢献するのか?2025年のCitrixプラットフォームを解説します。

Citrixプラットフォームの全体像

業務遂行の中核はアプリケーションを使ってデータ(コンテンツ)を生成・処理すること。PCなどのデバイスを操作し、ネットワークを経由して業務アプリケーションとデータを利用するための包括的な環境をワークスペースとして提供するのがCitrixプラットフォームです。

An overview of the Citrix platform components in Japanese

画面転送によるアプリケーション仮想化およびデスクトップ仮想化(Citrix Virtual Apps and DesktopsおよびCitrix DaaS
主にWindowsアプリケーションとデスクトップをユーザーデバイスへ画面転送し、遠隔操作によって利用。シンクライアントシステムとしても絶大な信頼があります。

ZTNA型のセキュアなアクセス(Citrix Secure Private Access
TCP/UDPベースのレガシーな業務アプリケーション、またSaaSを含むWebアプリケーションへのセキュアなアクセス。VPNを代替します。

セキュアなWebブラウザ(Chrome Enterprise Premium*)
SaaS/Webアプリケーションへアクセスする、セキュリティを強化したエンタープライズ向けのブラウザ。

これら3つのセキュアアクセスを軸に、負荷を最適化しセキュアで効率的なアプリケーション配信を行うネットワーク機能、モバイルアプリケーション・デバイスの管理、システムとしてすべてをコンロールする一元管理、システムをオンプレミス・クラウドに展開する仕組み等をまとめて提供します。更に、全社ITの中で他のシステムと連携する必要性にも対応します。

* 2025年3月、Googleとのパートナーシップにより、Citrixプラットフォームに統合。Citrix Platform Licenseに組み込まれ、追加コストなく利用可能。

Citrix =VDIではない

VDI(画面転送によるデスクトップ仮想化)はCitrixのコアテクノロジーですが、CitrixはVDIだけを提供しているのではないのです。
大半の業務アプリケーションがWebベースになっていることを背景に、セキュアブラウザとZTNA型アクセスの重要性が急速に高まっています。Citrixではこのトレンドを踏まえた開発投資を行なっており、VDIでは過剰かもしれない業務、新しいユースケースに、セキュアブラウザやZTNA型アクセスを提供しています。
Citrixは、3つのセキュアアクセスのテクノロジーを軸にこれらを最適化し、セキュリティを強化し、システムとしての適応性も備えているのです。VDI以外の重要なポイントをまとめます。

アプリケーション仮想化 (Citrix Virtual Apps)
手元のデバイスからアプリケーションだけを画面転送で仮想的に利用。フルデスクトップ不要で、システム効率も高い

アプリケーション配信とセキュリティ(NetScaler
負荷分散、トラフィック管理、アプリケーション高速化、WAF、ゲートウェイ等。ADCとして仮想環境にも物理環境にも対応

エンドポイント管理(Citrix Endpoint Management
MDM/MAM機能を提供し、会社支給または私物によらずモバイルデバイスから会社リソースへセキュアアクセス

監視・可観測性(Citrix Observability
システムの安定稼働とトラブル対応のみならず、ユーザーパフォーマンスとセキュリティ状態を監視し、収集したデータを分析してユーザーエクスペリエンスを向上

仮想化基盤(XenServer
Citrixに最適化されたハイパーバイザー。Citrix以外のワークロードにも、全社ITの仮想化基盤として適用

ハイブリッド・マルチクラウド展開
Citrixロークロードを主要クラウドに展開、コントロール。オンプレミス展開、NutanixやAzure Local等のHCIにも対応し、これらのインフラにまたがっての運用が可能

モダンなワークプレイス(DaaS連携)
Windows 365、Amazon WorkSpaces Coreを補完し、セキュリティやエクスペリエンスを強化してエンタープライズ展開を促進

サードパーティ連携
会社ITをモダンに、自動化するなかで、ITSMとの連携やInfrastructure as Codeにも対応

包括的なワークスペースを提供するプラットフォームが現在のCitrixです。

常に完成しない

業界の多くが買い切りの永続ライセンスの販売から複数年のサブスクリプションに切り替わり、Citrixでも3年または5年のサブスクリプションによって製品を使うお客様がほとんどになりました。
サブスクリプションの大きな恩恵は、その期間の中で新しい機能が追加され、ユースケースを補強したり新たな使い方に広がり、利用ユーザーを拡大できることです。追加機能を使うために追加コストは不要です。
この1年で重要な機能が追加され、Citrixプラットフォームが強化されました。

an overview of how recent citrix acquisitions fit into the platform

それぞれの強化ポイントは別に解説したいのですが、ここではひとつだけ。Uniconは物理デバイスのOS/デスクトップをプラットフォームのなかで一元管理し、レガシー資産を有効活用するものです。x86マシンをシンクライアントとして運用でき、Windows 11の現実的な対応オプションにもなるでしょう。またUniconにはゼロトラスト時代のVDIの在り方を示してくれる、新たな可能性を感じています。

この1年間、お客様からの要望を製品に反映した改善は381件、そして今も239件が進行中です。新しい機能セットを獲得することに加え、従来からの機能をより実効性を高めることもプラットフォームを強化します。継続する強化、進化がお客様のビジネス成長を牽引します。

プラットフォームは使い倒してこそ

Citrixプラットフォームは、お客様のビジネスが成長するために不可欠な、セキュアで柔軟かつ高性能なアプリケーションとデスクトップへのアクセスを提供する、強力で包括的なソリューションです。特定業務に閉じた使い方、一部のユーザーだけのソリューションではもったいないのです。
セキュリティ、ユーザーエクスペリエンス、適応・展開に優れたワークスペースは、企業グループ内すべてのユーザーに必要です。プラットフォームを最大限に活用することは、重複投資を回避し、攻めと守りをバランスよく備えることにつながります。