2024年前半、CitrixとMicrosoftは両社の協業を深め、クラウドおよびAIソリューションの開発を支援するための8年間の戦略的提携を結びました。

そしてMicrosoft Ignite 2024での発表を受け、CitrixはAzure Virtual DesktopおよびWindows 365の機能を拡張して、お客様の業務環境(= モダンワークプレイス)を更に効率よくセキュアにすべく支援を強化します。特にCitrixとWindows 365の統合運用にフォーカスし、Citrixが新たに提供する付加価値を解説します。

仮想化、ZTNAによるモダンワークプレイス実現

DX推進、生成AIの企業IT適用など優先事項が変化する中で、お客様の現状はより複雑になっています。デバイスの進化、ユーザーロケーションの増加、業務アプリケーションの多様化、入り混じるシステムの境界等に対処し、モダンワークプレイスを確立することは企業戦略を実行するための基盤と言えるでしょう。

Microsoft Azureクラウド、Azure Virtual DesktopおよびWindows 365はこの基盤であり、Citrixは以前からの仮想化テクノロジーに加え、ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)機能でセキュリティを強化し、優れたエクスペリエンスと統合管理を付加します。

詳細に入る前に、Azure Virtual DesktopとWindows 365の違いを整理します。

A Citrix and Windows 365 chart in Japanese

One size fits all型のWindows 365は、決まったデスクトップイメージを一斉に効率よく展開するDaaSであり、Citrixがユーザーエクスペリエンスとセキュリティを補強することで理想のVDIの展開、運用・管理が実現します。

Citrix + Windows 365ユーザー向けの新しいライセンス

Citrixのお客様で、Windows 365を利用可能なMicrosoftライセンスを取得しているユーザー企業に対して、数量無制限のWindows 365 クラウド PC に Citrix を統合できる新しいライセンスを導入します。追加費用は発生しません。これにより、HDXテクノロジーWorkspace Environment Management (WEM)uberAgentSecure Private Accessなど、Windows 365と供に幅広いCitrix機能が利用可能になります。これらの追加機能と提供する対象は以下の通りです。

a Citrix and Windows 365 chart in Japanese

A slide highlighting Citrix licensing with Windows 365 in Japanese

HDX
高品位で圧倒的なパフォーマンスにより、優れたエクスペリエンスと供にモダンワークプレイスを利用可能にします。

  • アダプティブ
    ネットワークの状態に動的に適応し、低帯域または高遅延の接続でもスムーズで応答性の高いエクスペリエンスを提供。その中核には、ICAプロトコルによる高度に圧縮された画面転送があります。
  • マルチメディアの最適化
    特殊なコーデックは、音声や動画、UCを含むマルチメディアコンテンツ配信を最適化し、リッチで没入感のあるエクスペリエンスを提供します。 
  • グラフィックの高速化
    サーバー側とクライアント側のグラフィック処理を活用して、高負荷のアプリケーションでもスムーズで応答性の高いグラフィックコンテンツの利用を可能にします。
  • 周辺機器のサポート
    プリンター、スキャナー、Webカメラなどの周辺機器を幅広くサポートし、ユーザーがシームレスに作業できるようにします

WEM
システムリソースとユーザー設定を最適化し、パフォーマンスとクエスペリエンスを最大に引き上げます。高負荷時でもスムーズで応答性が高く、パフォーマンスとコストの優れたバランスを実現します。

  • リソース最適化
    CPU、メモリ、I/Oリソースをインテリジェントに管理し、アクティブなプロセスを優先しリソースの競合を防止。ログオン高速化、アプリケーション起動の高速化、全体的なパフォーマンス向上が実現します。
  • プロファイル管理
    Windowsのデフォルト設定をユーザーセッションに合わせて見直し、ユーザープロファイルの読み込みと管理を最適化。ログオン時間を短縮し、アプリケーションのパフォーマンスを向上。パーソナライズにより、満足度も向上します。

セッションレコーディング
ユーザーセッションを録画し、ユーザーの操作、アプリケーションのアクティビティ、ネットワークトラフィック等、画面上で発生するすべてを記録します。これにより重要な洞察、分析が可能です。

  • セキュリティとコンプライアンス
    セキュリティインシデントの調査、コンプライアンス違反の監視、監査の証跡を提供します。
  • トラブルシューティング
    管理者は記録を確認することで、ユーザーの問題の根本原因を迅速に特定し、トラブルシューティングの効率を向上させ、ダウンタイムを削減します。

録画からユーザーアクティビティを監視することは、ユーザーによる不正なふるまいを防ぐ抑止力にもなります。

uberAgent for VDI
モダンワークプレイスのパフォーマンスとセキュリティを包括的に監視し、可視化します。Citrix環境とそれに接続するデバイスを対象に、以下を実行します。

  • パフォーマンス監視
    ログオン時間、アプリケーションの起動時間、リソース使用率(CPU、メモリ、ディスク)などの主要な指標を監視、追跡。これにより、問題発生原因を特定し、パフォーマンスを最適化。ユーザーエクスペリエンスの定量化にもつなげます。
  • セキュリティ監視
    プロセス実行、ファイルアクセス、ネットワーク接続等のアクティビティを監視して疑わしい動作を検出し、マルウェアやランサムウェアなどの潜在的な脅威に関する洞察。セキュリティインシデント発生時には迅速な対応を可能にし、損害とダウンタイムを最小限に抑えます。
  • デバイスの監視
    Citrixの既存ツールではできなかった、物理デバイスに対するパフォーマンス監視とセキュリティ監視。デバイス単位でどのアプリケーション・リソースに接続したか、パフォーマンスとセキュリティの状況をすべて監視し、ボトルネック特定や最適な運用に役立てることができます。

Secure Private Access
ユーザーに対して企業ネットワークへの直接アクセス(一般的なVPN)を提供するのではなく、アプリケーションごとに状況に応じた柔軟で強固なセキュアアクセスをユーザーへ提供します。

  • ゼロトラスト
    アクセス許可の前にユーザーのアイデンティティとデバイスの状況を確認し、信頼できるデバイスと許可されたユーザーのみが接続可能にします。 
  • アプリケーション保護とセキュリティ
    アプリケーションをインターネットから隠し、攻撃者から見えないようにすることで、侵害リスクを軽減。すべてのトラフィックを暗号化し、データの傍受や盗難を防止します。 
  • きめ細かい制御
    ユーザーの役割、デバイスの種類、アクセスする場所に基づいてきめ細かいアクセスポリシーを定義し、必要なリソースにのみユーザーがアクセスできるようにします。
  • ハイブリッド展開
    展開プランに沿って、クラウドサービスまたはオンプレミスでの運用が可能です。

35年におよぶCitrixとMicrosoftの協業は、新たな段階に入りました。
Citrixの基本スタンスは、Microsoftが提供する最新かつ最高のものをサポートし、更に拡張することで最大限の付加価値を提供することです。

Citrix + Windows 365で、最適なモダンワークプレイスを配備しましょう。