10月8日にCitrix Cloud Summitが開催されました。バーチャルイベントとして開催された今回のサミットでは様々は発表があり、今回のブログではCitrix Cloud Summitで公開されたCitrixのクラウド戦略について、ご説明します。

Citrix Cloud SummitではCitrixのデイビッド・ヘンシェル(David Henshall)CEOからハイブリッド、マルチクラウド環境におけるイノベーションの概要をお伝えし、企業が業務を安全に、また一貫して進めるのに必要な手段を提供する、ハイブリッドおよびマルチクラウドモデルに対するCitrixのサポートをご紹介しました。

クラウド戦略に欠かせない「移行」「自動化」「最適化」これらの3つ分野でのCitrixによる新たなイノベーションやパートナーシップへの投資により、お客様が安心して独自のクラウド戦略を追求できるようになります。

お客様のクラウド移行を加速する

企業のIT部門は過去数年にわたり、拡張性、柔軟性、およびコスト削減を目的として、アプリケーションのワークロードのクラウド移行に取り組んできました。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で、状況は一変しました。クラウドは働くすべての人にとって重要なものとなりました。

コロナ禍、クラウド化への加速に拍車がかかり、クラウド移行に必要な時間は数か月、場合によっては数週間にまで短縮されました。オンプレミスだけで業務を行っている企業にとって、これは安全ネットが無い「綱渡り」のようにも感じられます。しかしハイブリッド型クラウドのインフラストラクチャを持つ企業は、単にオンプレミスに置かれているものをクラウドに移行するだけでクラウド化に対応できました。

Citrixのソリューションの下では、企業にはオンプレミス環境で業務を行い、それを自社のペースに合わせてクラウドへ拡大することができます。
Citrixの戦略の詳細と、お客様がクラウドへの移行を加速するためにできることについてはCitrix Cloud Summit ページで Citrix Sridhar Mullapudiの講演、Accelerate your cloud journey (クラウドへの移行を加速させる方法)をご覧ください。

どの主要クラウドへの移行にも対応

Citrixはお客様が自社独自の戦略を容易に、また安心して進めることを支援するため、Citrix独自のものと主要なクラウドサービスプロバイダーとの共同によるものの両方に対して大規模な投資を行ってきました。

具体的には、Citrixはお客様が(ひとつまたは複数の)クラウドを選択し、迅速に移行し、あらゆる場所とあらゆるインフラストラクチャにおいてワークロードを管理し、またオンプレミスのリソースを最大限に活用できるよう拡張性に注力してきました。またクラウド環境にもオンプレミスと同様な安全を確保するためセキュリティを最優先しています。さらにエンドユーザーに優れた使用エクスペリエンスを提供するため、信頼性とパフォーマンスも重視しています。

さらに、Citrixはお客様に最大限の選択肢を提供することを常に行動規範としてきました。Citrixのソリューションではワークロードの一部をオンプレミスで、一部をAWSかGoogleで、またさらに一部はAzure上で実行できるようにすることで、お客様のニーズに合わせ柔軟な対応が可能です。

Google
Citrixは共有される仮想プライベートクラウドと自動化された移行ツールを含め、Google Cloudのための新しい機能を提供しています。これらの新しい機能によって仮想アプリケーションとデスクトップワークロードのGoogle Cloudへの移行やインスタンス起動が容易に行えるようになり、またそれらのコントロールとセキュリティ機能の最大限の活用が可能となります。

AWS
先日発表されたVMware Cloud on AWSのCitrix Virtual Apps and Desktopsサービスサポートに加え、お客様のAWSへのワークロード移行とその管理を支援するため、CitrixはCitrix Application Delivery Controller(ADC)によるサポートを提供します。AWS上でCitrix ADCを使用することにより、クラウドからのアプリケーションデリバリー管理や、Citrix ADMサービスを使ったオンプレミスで管理されているワークロードのAWS上のADCへの移行が容易になります。

Microsoft
お客様のクラウド移行と自動化加速を支援するため、Citrixは先日Microsoftとの長年にわたる関係をさらに強化しました。CitrixはMicrosoftがWindowsプラットフォームをWindows Virtual Desktop経由でAzure Cloudプラットフォームに深く埋め込んでいることを活用しています。これは、このことがMicrosoftとCitrixのお客様が髙パフォーマンスで大規模なWindows Desktop Servicesのデリバリーを実現するうえで役立つことを確信しているからです。Citrixはハイブリッド型マルチクラウド環境での簡素かつ柔軟な管理、リアルタイムのリスク検出と防止によるセキュリティ向上、あらゆるネットワーク状況下での高いパフォーマンス、およびリアルタイムの対応可能なインサイトと個々のユーザーごとのエクスペリエンススコアに基づく監視改善を含む付加価値をWindows Virtual Desktopに提供します。

またCitrixはWindowsワークロードの移行を支援するだけでなく、他のワークロードからのAzureへの移行にも注力しています。Citrix Cloud Summitページでは、CitrixがどのようにSAPと協力し、お客様のSAPワークロードをAzureに移行することによって規模、効率、および新しいクラウドアナリティクスとサービスの利用を改善しているかをご覧いただけます。

自動化と最適化
Citrixはクラウドパートナーと共に、安全で信頼性の高いクラウド移行への支援を最優先としています。Citrixはこのプロセスをさらに簡素化、自動化するための新しいツールとサービスにも取り組んでいます。

Citrixはコントロールプレーンの管理を通じ、アップグレードと管理に伴うお客様の負担を軽減し、最新のイノベーションを自らの環境に取り入れ、それを活用することを支援しています。Citrix AnalyticsAutoscale、およびCitrix Application Delivery Management(ADM)サービスをはじめとするソリューションが、お客様組織によるクラウド展開の自動化と最適化、およびコストとユーザーエクスペリエンスとのバランス維持を自動化し、同時にハイブリッド型マルチクラウド環境全体にわたるアプリケーションデリバリーのパフォーマンスとセキュリティ最適化を実現します。Citrixインフラストラクチャの自動化と最適化、およびCitrix ADMによるあらゆるワークロード自動化と最適化についてはこちらをご覧ください。

お客様のクラウド移行がさらに確立されることに伴い、さらに多くの機能が利用可能となります。業務のクラウドへの移行が一定の基準を超えた時点で、アナリティクス、機械学習とAI、自動化、セキュリティなどの分野の新たなクラウドサービスと機能の可能性が実現します。

Citrixはお客様のクラウド移行を成功に導くための新しいソリューションに投資し、お客様にとって役立つ戦略と、ハイブリッド型マルチクラウド環境の自動化と最適化を支援しています。

Citrixのクラウドイノベーションへの移行を簡素化

Citrixのソリューションは、お客様のクラウドへの移行の理由が計画的な移行の一環としてだけでなく、事業継続、リモートワーク、敏捷性向上などを想定し、お客様のクラウド移行の複雑さを軽減するように設計されています。Citrix Cloud Summitではお客様ごとのクラウド移行を支援するため、Citrixが提供するイノベーションのいくつかをご紹介しています。Citrixのイノベーションのそれぞれについて、またそれらがお客様のクラウド移行をどのように簡素化するかをCitrix Cloud Summitのオンデマンドでごいただけます。

Citrix Virtual Apps and Desktops Standard for Azure
クラウド移行を迅速に開始できるか否かは、成功への分かれ道となります。これを支援するため、Citrixは新しいCitrix Virtual Apps and Desktops Standard for Azureによりクラウド向けソリューションの範囲をさらに拡大しました。

従来Citrix Managed Desktopsと呼ばれてきたこのソリューションは、クラウドを対象とし、また完全にクラウド内において構築されています。Workspace Premium Plusを含むすべてのエディションのCitrix Virtual Apps and Desktopsサービスの一部であるこのソリューションは、シンプルな管理用インターフェイスとAzureのコンピューティング能力を追加する機能を持ち、シンプルな月次または年次の利用料金により利用することのできる、仮想アプリケーションとデスクトップをAzure内で実行するための最も簡単で迅速な手段です。

Citrix仮想アプリとデスクトップのためのGoogle共有仮想プライベートクラウドをサポート

Google Cloud を利用している場合、おそらくクラウド上に複数のプロジェクトがあり、それぞれが独自のネットワークとセキュリティ要件を持ち、仮想プライベートクラウドを必要としていることでしょう。Google の共有仮想プライベートクラウドのコンセプトにより、お客様は複数のプロジェクトのリソースを共通の仮想プライベートクラウドネットワークに接続することができ、ネットワークリソースの厳格な管理を維持しながら、チームが必要とするリソースをスピンアップする際の障害を回避することができます。

Citrixは現在、Google共有仮想プライベートクラウドのサポートを提供しており、当社のマシン作成サービスツールで有効になっています。Google Cloudでのイメージの提供をサポートしているため、共有仮想プライベートクラウドをサポートしたワークロードを迅速かつ簡単に移行することができます。Google Cloud Platformのフル機能に加え、新たに組み込まれた制御機能とセキュリティ機能を利用して、必要に応じてスケールすることが可能です。

Citrixの自動構成ツール
Citrixの自動構成ツールの最新バージョンが利用可能になりました。ポリシー、アプリケーション、マシンカタログなどのCitrix Virtual AppsとDesktopsの構成の自動移行をサポートするよう設計されており、Citrixのワークロードを任意のクラウド上に置くことができます。

移行は大変な作業ですが、自動構成ツールを使用すると管理者は現在のオンプレミスの構成がCitrix Cloud Serviceでどのように動作するかを簡単にテストすることができ、管理者の負担を軽減し、コンポーネントの自動更新やカスタマイズ可能な更新を行うことができます。

このツールは、管理者がオプションで編集できる構成ファイルの中の1つ、または複数の、オンプレミスサイトを検出してエクスポートし、これらのファイルの構成をCitrix Virtual Apps and Desktopsサービスにインポートします。また、運用管理を支援し、移行以上の価値を提供するために必要不可欠なリソースとなります。

VMware Horizon から Citrix Virtual Apps and Desktops サービスへの移行ツール
VMware Horizon をオンプレミスで使用しているお客様は、これらのリソースを Citrix Virtual Apps and Desktops サービスに簡単に移行できることを望まれると思います。VMware Horizon から Citrix Virtual Apps and Desktops サービスへの移行ツールにより、この移行を管理するために必要な手動作業の多くが自動化され、移行にかかる時間が短縮され、エンドユーザーエクスペリエンスの向上に貢献します。VMware から Citrix への移行の詳細については、こちらを参照してください。

Citrix ADMサービスによる移行の簡素化
クラウドに移行するワークロードは、仮想アプリやデスクトップだけではありません。Citrix ADMサービスを利用すると、これらのワークロードの配信をオンプレミスからクラウド、またはクラウド間に迅速かつ簡単に移行することができます。クラウド配信プラットフォームであるCitrix ADMサービスは、ハイブリッド・マルチクラウド環境でのアプリケーション配信の自動化、オーケストレーション、管理、分析を可能にします。

Citrix ADMスタイルブックを使用して、ハイブリッド・マルチクラウドインフラストラクチャ内の任意の場所でCitrix ADC間でアプリケーションを移動することができます。Citrix ADMは、アプリケーションに関連するすべての構成ファイルを選択し、SSL証明書をインポートして手動で構成を調整し、数分でアプリケーションを選択したクラウドADCに移行します。

これらの革新的な技術やその他の詳細については、Citrix Cloud Summitのページでご確認いただけます。