従業員の健康増進のために ― 彼らに時間の還元を

睡眠時間は、1時間不足したくらいでは些細なことに思えるかもしれませんが、従業員の疲労やストレスレベルに与える影響は決して小さくありません。そしてこうしたストレスは生産性へと影響をもたらすようになります。従業員が自分の時間を取り戻せるようにすることが組織にとって大切である理由はここにあります。

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2021年3月16日

夏時間に変わる時、すべての米国人は1時間の睡眠時間を失います。この睡眠時間の減少が、米国の労働者が1年に1度の時間変更を嫌がっている要因なのですが、もうおなじみになってしまった悩みでもあります。では、失われた1時間の睡眠にはどのような価値があるのでしょうか。

その答えは、従業員1人あたりで年間約1,967ドルになります。生産性、モチベーション、医療への疲労の影響を考慮した数字です。これをすべてサマータイムのせいにすることはできませんが、疲労は従業員の健康と企業の収益の両方に影響を与えます。睡眠不足が従業員と企業の双方に与える影響を考慮すると、企業が従業員の心身の健康にフォーカスし、彼らが失った時間を取り戻せるようにすることは不可欠なのです。

従業員の健康のために休憩時間とダウンタイムが必要な理由

サマータイム開始によって失われる1時間の睡眠は、従業員の24時間の自然サイクルを狂わせ、日中の眠気を引き起こします。このような疲労は不幸なことですが、この失われた1時間を回復させることが組織の責任ではないかと考えてみるのは良いことです。なぜ企業は仕事時間を犠牲にして、従業員に休憩時間を与え、健康に注意するよう促さなければならないのでしょうか。

実際のところ、休憩とダウンタイムは従業員の心身の健康に不可欠です。従業員に定期的に休憩時間を取るように促すことで、疲労が仕事のパフォーマンスや集中力、記憶力に与える悪影響を軽減することができます。休憩時間をどのように使うかのアイデアが必要な従業員には、栄養価の高いランチを作る、運動する、瞑想する、その他のセルフケア活動を行うなど、健康的な習慣を提案してください。そして何よりも、従業員が安心して休憩を取れるようにすることが大切です。勤務中の休憩の確保は、企業の義務として捉えられるのが理想であると言えるでしょう。 シトリックスのEVP兼最高人材活用責任者であるDonna Kimmel氏は、「自分をケアするための時間を作ったり助けを求めたりできる安全な環境がなければなりません。特にメンタルヘルスに関してはです」と述べています。

疲労とストレスがもたらす収益への影響

このように従業員の健康と休憩時間には明確な関連性があるにもかかわらず、多くの組織では、ダウンタイムを仕事に組み込むことに悩んでいます。北米の上司の22%が「定期的に昼休みを取る社員は勤勉さに欠ける」という意見を持っていますが、そんなレッテルを貼られたい従業員はいません。このような考え方は、勤務時間中に休憩やダウンタイムをとることを嫌う企業文化につながります。その結果、従業員は過剰なキャパシティで長時間働くことになり、慢性的なストレスで生産性が低下し、病欠が増えることになります。

職場での疲労やストレスとそれらがもたらす生産性への影響が、米国企業に毎年1,364億ドルもの損失を与えていることを考えると、「心身ともに健康であることは従業員だけでなく企業にとっても良い」というKimmel氏の見解を認識することは極めて重要です。例えば、疲労した従業員は、ミスを犯しやすく、新しい情報に反応するのに時間がかかり、イライラしやすい傾向があります。睡眠不足によるこれらの弊害は、生産性を低下させ、イノベーションを阻害し、効率的な共同作業を困難にします。つまり、十分な休息をとっている従業員は、測定可能なすべての方法において、より効果的な従業員なのです。

心身ともに健康であることは、従業員だけでなく企業にとっても良いことなのです。

Donna Kimmel
EVP兼最高人材活用責任者
シトリックス

優れたテクノロジーは仕事の時間をいかに節約するか(そして還元できる時間を生み出すか)

従業員の勤務時間と休憩時間のバランスを取ることのメリットを検討するとき、ダウンタイムの増加による生産性の低下を懸念するのは当然のことです。それが夏時間開始後のたった1時間の休息であっても同じでしょう。とはいえ、従業員の心身の健康を優先することは、従業員のためにも、ビジネスのためにも良いことです。嬉しいことに、適切なポリシー、ツール、テクノロジーを導入すれば、従業員は生産性を低下させることなく、スマートに働き、休息時間を確保することができます。

まず、どのようなルーチンワークや承認を自動化できるかを検討します。例えば、デジタルワークスペースでは、AIや機械学習を利用すれば、カレンダーの予定設定や有給休暇申請の承認などの簡単なタスクを自動的に行うことができます。また、90日ごとに新しいパスワードの作成と記憶の作業を従業員に強いるのではなくFIDO認証を採用するなど、テクノロジーによって従業員の認知的負荷を軽減できる点を検討するのも有効な手段です。従業員が最高の仕事を効率的かつ効果的に行うための適切なテクノロジーを提供することで、従業員の健康や幸福度の増進を実現しながら、仕事のダウンタイムを簡単に吸収することができます。

#TakeTimeBack 運動に参加する

仕事に疲労はつきものだと、受け身でいる必要はありません。そのため、シトリックスなどの企業は「#TakeBackTime」運動を提唱しています。これは、従業員の心身の健康に焦点を当て、勤務時間中に1時間を、回復とセルフケアのために取得することを奨励するものです。この「#TakeBackTime」運動に参加することで、従業員がより健康的なワークライフバランスを取り入れることを可能にし、彼らの心身の健康をサポートすることができます。