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総合商社である丸紅は、国内外のネットワークを生かし、食料、繊維、資材、紙パルプ、化学品などの輸出入および国内取引から、電力、インフラ、プラント、 産業機械、開発建設、金融、物流、情報など、広範な分野の商品や各種サービスの提供、事業投資、開発・運営までを、世界65カ国・120地域の拠点で展開 しています。「強い丸紅」の実現を目的とした中期経営計画「SG-12」を完遂し、新たな中期経営計画である「Global Challenge 2015」を推進。より一層の「強い丸紅」の実現に向け、ITインフラの整備を進めています。その一環として、いつでも、どこでも、どの端末からでも業務 ができるリモート業務環境の整備にも積極的に取り組んでいます。
丸紅は2000年以前、大型テレックス網を利用して世界各国の拠点との通信を行っていました。2000年代に入りインターネットが普及拡大したことから、 通信手段を電子メール網に切り替えました。このテレックスから電子メールへの切り替えにあたり、メールサーバーとしてMicrosoft Exchange Serverを各国拠点に展開しました。情報企画部 ITサービス推進課長の橘高 弘一郎氏は、「2000年から、メールサーバーとしてExchange Serverを採用してきました。その後、サーバーのメンテナンス作業や、ハードウェア更新作業からの解放を目的として、現在ではOffice 365 Exchange Onlineを利用しています。また、Exchange Serverを導入した当時から、出張先や自宅からメールシステムにブラウザでアクセスできる、Outlook Web App(OWA)を利用していました」と話します。さらに2000年代半ばごろから、セキュリティ対策が重視されるようになりました。丸紅では、まだ世の 中に「ITセキュリティ」という言葉が浸透する以前から、「ITセキュリティ標準」と名付けたセキュリティ対策の社内・グループでの標準化に取り組んでい ました。セキュリティ対策について橘高氏は、次のように語ります。「外出先や自宅のPCで業務データを編集しメールを送信した際に、デスクトップにデータ が残ってしまうので、情報漏えいにつながる恐れがありました。しかしセキュリティ対策のためにOWAを使えなくしてしまうと、業務効率が低下してしまいま す。そこで、いかに OWAを利用する環境のセキュリティを担保するかが重要でした」。橘高氏は、「情報を会社が完全に管理でき、一方で利用者の利便性を失わないソリューショ ンとはどのようなものかの検討を開始しました。このとき、将来的には、個人所有のスマートフォンやタブレット端末からメールを利用するBYODの実現を考 慮しておくことも必要でした」と話します。検討の結果、Citrix® XenApp®によるアプリケーション仮想化環境の導入を決定、構築は、新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)に依頼することとしました。
「セキュアOWA」と命名された、XenAppを基盤としたアプリケーション仮想化環境の構築は、2013年4月より検討が開始され、5月末にSI ベンダーとしてNSSOLを選定。6月初めに「セキュアOWA」の構築プロジェクトをキックオフしています。製品として、XenApp、Citrix NetScaler®を、 構築ベンダーとして、NSSOLを採用した理由を情報企画部 ITサービス推進課の田辺 幸輔氏は、次のように語ります。「アプリケーション仮想化分野ですでに数多くの実績があることが、XenAppとNetScalerの組み合わせを採用し た最大の理由です。他社製品とも比較しましたが、XenAppは利用できる端末の種類が多く、よりきめ細かいセキュリティ設定ができることを評価しまし た。システム構築に関しては、XenAppやNetScalerはもちろん、Windows Serverなど、各分野のスペシャリストがそろっていることや品質保証に対する姿勢を評価して、NSSOLに依頼しました」。橘高氏は、「キックオフ後 にサーバーを導入して、2カ月強でXenAppを基盤とした「セキュアOWA」環境を構築し、8月後半には本番稼働しています。XenAppの導入は非常 に順調で、まったく問題はありませんでした」と当時を振り返ります。
2カ月という短期間でXenApp を導入できた理由を、田辺氏は、「NSSOL の各メンバーが、ミーティングで問題の細部まで粘り強く洗い出し、解決策を決定したことで、手戻りの少ない短期間でのシステム構築につながりました」と話 します。XenApp を基盤とした「セキュアOWA」は、現在、国内の従業員4,000 名以上が、海外を含む外出先のPC や自宅のPC から、社内メール、イントラネット、ファイルサーバーにセキュアにアクセスするために利用されています。また、PC へのCitrix Receiver™のダウンロードは、社員自身で行っています。さらに、NetScaler のICA プロキシ機能によってICA プロトコルのSSL 暗号化を行い、安全なモバイル環境を実現しています。
「セキュアOWA」実現による利用者のメリットを、田辺氏は、「XenApp を導入したことで、外出先や自宅のPCから安全に会社データにアクセスできる基盤を実現でき、利用者に大きなメリットを感じてもらえました。また、ファイ ルサーバーにデータを保存しておけば、いつでも、どこからでもデータにアクセスできるようになったので、PC のローカルディスク内にデータを保存してしまう習慣が減り、ファイルサーバー上にデータを集約できる副次的メリットも出てきています」と話します。活用例 として、営業部門の担当者は、現在は安全に接続する環境があることで、安心して業務ができるようになりました。橘高氏は、「営業部門の社員は、海外と日本 をつなぐ仕事で出張が多いのですが、特にホテルで作業するときにレスポンスが悪いとか、個人のローカルディスク上に保存したファイルを編集することで、東 京の本社で管理しているファイルと、内容に差異が出てしまうなどの問題がありました。現在は、空港やホテル、自宅などの場所にとらわれず、安心してスムー ズに仕事ができ、自分の時間も多くとれるようになったと、ワークスタイルの変化を実感してもらっています」と話しています。
「セキュアOWA」環境を構築した効果を橘高氏は、次のように語ります。「各現場の担当者が、それぞれにセキュアなIT 活用を考えるのは効率的とはいえません。会社全体としてセキュアなIT 基盤を確立することで、最適なIT 投資やリソースの再配置が可能になり、より攻めの領域に経営資源を割り当てることができます。こうした取り組みが、"強い丸紅"の実現を加速させると考え ています」。丸紅では、今後、海外・グループ会社を含む7,000人規模のアクセスを想定しています。また、今後は、会計システムをはじめとする業務アプ リケーションなどの利用可能なアプリケーションの拡大や、スマートフォンやタブレット端末を利用したBYOD を推進する計画です。
橘高氏は、「社外から業務アプリケーションへのアクセスも可能にすることで、担当者は自宅のPC でも業務アプリケーションを使った作業ができます。これによりBCP(事業継続性計画)への対応も一層期待できます。
こうしたことからも、より一層のアプリケーション仮想化環境の活用に加え、今後はデスクトップ仮想化の導入も検討していく予定です」と話しています。
情報企画部 ITサービス推進課長
丸紅株式会社
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