HDXのテクノロジーはあらゆるデバイスやネットワーク上で、ユーザーに『高品位』なエクスペリエンスを一元化されたアプリケーションやデスクトップで実現します。HDXは、優れたネットワーキングで知られ、20年以上にわたる技術革新によるIndependent Computing Architecture(ICA)リモーティングプロトコル上に構築されており、大規模なエンタープライズ環境で実績があり、世界中の数百万人のユーザーがアクセスしています。

HDXはインテリジェントリダイレクション、適応圧縮、データ重複除外の3つの技術原則によって設計されています。異なる組み合わせによって、次のような設計が可能になります。

  • ユーザーエクスペリエンスの最適化
  • 帯域幅の消費を削減
  • ホスティングサーバー1台あたりのユーザー密度の増大

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HDXのテクノロジーの裏にある3つの技術原則とは。

1. インテリジェントリダイレクション

インテリジェントリダイレクションは画面の動作、アプリケーションコマンド、エンドポイントデバイス、ネットワーク性能、サーバー性能を調べ、瞬時にアプリケーションやデスクトップのアクティビティをレンダリングする方法と場所を判断します。レンダリングはエンドポイントデバイスもしくはホストサーバーのいずれかで行われます。

クライアントリダイレクションはエンドポイントの処理能力を利用できる場合、サーバーをリダイレクション処理から解放し、他のプロセスやサーバーが扱えるユーザー数を増やしたりします。

デバイスリダイレクションはローカルレベルでのWebカメラ、プリンター、スキャナー、デジタルペン、3Dマウスなのど周辺機器の処理を止め、ユーザーがこれらのデバイスとセッションでやりとりできるようにします。

2. 適応圧縮

適応圧縮はICAプロトコルの中核となる知的財産で、ネットワーク接続が弱くても高画質のマルチメディアディスプレイの配信を可能にします。HDXはまずインプット、デバイス、ディスプレイ(テキスト、ビデオ、音声、マルチメディア)といった幾つもの変数を評価します。次に最適化圧縮コーデックと最善のCPUかGPU使用率の一方もしくは両方を選びます。その後、インテリジェントに個々のユニークなユーザーと基準に適応します。これはユーザーごと、もしくはセッションごとにもインテリジェントに適応します。

3. ネットワークトラフィックの重複除外

ネットワークトラフィックの重複除外により、ビットマップグラフィクス、ドキュメント、印刷のジョブ、ストリーム配信メディアのようなよくアクセスされるデータの繰り返されるパターンを利用することで、クライアントとサーバー間でやり取りされる集合データを減らすことができます。これらのパターンをキャッシュすることで、変更点のみをネットワーク上でやり取りでき、複製トラフィックをなくすことができます。HDXはまた、マルチメディアストリーム配信のマルチキャストをサポートすることで、ユーザーごとに一対一の接続せず、1つの発信元から1つのロケーションにいる複数の『購読者』が配信を見ることができます。

では、これらの原則がさまざまなHDXテクノロジーにどのように適用されるかを詳しく見ていきましょう。

HDXがどのように音声、ビデオ、マルチメディアの性能を最適化するのか。

ユーザーはアプリケーションとデスクトップがリアルタイムに近い状況で音声とマルチメディアが配信されることを期待しています。つまりローカルで実装されているのと同じレベルを期待しています。HDXテクノロジーは、ポリシーとテンプレートにより、帯域幅効率に優れ、非常にクリアな音声、マルチメディア、およびビデオを提供します。また、卓越したディスプレイの最適化とパフォーマンスを実現します。

ディスプレイの最適化

  • HDX Adaptive Transportによりネットワークの特性が変化しても、グラフィックスを含むユーザーセッション内のすべての機能が正常に動作します。これはCitrixのEnlightened Data Transport(EDT)Protocolを通して実現され、最適のパフォーマンスのためのインテリジェントで信頼性のあるUDP利用が可能になります。Adaptive Transportはセッションが設定変更することなくEDT/UDPとTCP間で必要に応じてシームレスに切り替えられるようにします。その結果、幅広いクライアント・エンドポイントに対する応答性の高いセッションが実現されます。
  • シトリックスのディスプレイの最適化はH.264とH.265コーデックの両方を利用し、高いイメージの品質を最小限の帯域幅の消費で実現します。これらの標準を使用したエンコードはすべてのセッションで行うことができ、フルスクリーンモーションに最適です。または最適化された効率を得るために必要なモーションのある特定委の領域で選択的に行えます。サーバーとクライアント両方のGPUハードウェアは、リソースの節約もできる見事なビジュアルに活用されます。

統合通信

  • Web会議はリアルタイムでの音声の他に、高品質なビデオと画面共有をますます必要とします。HDXは音声トラフィックがネットワーク上で必ず最優先されることを保証します。これはRTP/UDP音声用のICAプロトコル内にある専用のバーチャルチャネルでのQoSのためのパケットのタグ付けを含みます。これによりジッターのない音声品質の遅延を最小限に抑えられます。
  • ビデオ通信に使われるクライアント側のWebカメラ圧縮は帯域幅要求を桁違いに減らし、ネイティブなユーザーエクスペリエンスをモバイルネットワークや遠隔地でも可能にします。
  • シトリックスはMicrosoft(Skype for Business)、Cisco(Jabber)、Avaya(one-X)といった主なユニファイドコミュニケーション(UC)ベンダーと共同ソリューションを提供し、アプリケーションが仮想環境で一元的にホストされる際、エンドポイント間のピアツーピアコミュニケーションを実現しています。リアルタイムでの最適化ポリシーは『ヘアピン』による遅延を防ぎ、音声とビデオはデータセンター内の中央ホストに戻ることなくエンドポイント間を移動できます。結果、ユーザーエクスペリエンスはとてもよく、ホストサーバーでのユーザー密度もより高くなります。

マルチメディア

  • 他の種類の集中的なWebベースのコンテンツと共に、YouTubeビデオレンダリングを、ブラウザーコンテンツリダイレクションを使用してローカルエンドポイントにオフロードします。URL制御、フェッチ動作などのポリシーを介して完全に設定可能なこの機能は、サーバーリソースの消費とクライアントネットワークトラフィックのホストを劇的に減らし、同時に真にローカルなエクスペリエンスを提供します。これらすべてが公開または仮想デスクトップで実行されているWebブラウザのコンテキスト内で可能です。
  • Windows MediaとFlashビデオのマルチキャストビデオのサポートにより、一度に数百、数千人のユーザーが、レンダリングおよび送信されるビデオコンテンツを見ることができます。これにより、生中継されるビデオイベント、ニュース、支社に配信されるトレーニングプログラムの際に使用される帯域幅とデータセンターのリソースを最大で95%節約できます。
  • マルチメディアリダイレクションはホストサーバーのCPU割り当ての削減に大きく影響し、より多くのスケーラビリティのために1つのサーバーがサポートするユーザー数を増やすことができます。FlashリダイレクションとWindows Mediaリダイレクションは、リッチコンテンツの再生レンダリングをオフロードしてクライアントデバイスと互換性を可能にします。これにはフォールバックオプションとしてのみ、サーバーレンダリングマルチメディアを使います。

HDXがどのように4K解像度とマルチディスプレイをサポートするのか。

医療、製造、金融業界のような垂直方向のユースケースはこれまで以上に増えており、また高解像度のモニターや2台以上のモニターでの設定も要求されています。Citrix WorkspaceとCitrix Virtual Apps and Desktopsは、鮮明で詳細なイメージ、滑らかなビデオ、平文のためのHDXテクノロジーとともに基礎となるグラフィクスハードウェア機能を活用することにより、これらのシナリオを広範囲にサポートしています。

HDX 3D Proを使ってどのようにビジネスおよび専門のグラフィックスを最適化するのか。

HDX 3D ProはCitrix Virtual Apps and Desktopsでグラフィクプロセッサ(GPU)の使用を先駆けて開発した専門技術です。今日では1つの物理GPUを使って、ハードウェアアクセラレーションを複数の仮想マシン(VM)に提供できる仮想化機能のあるGPUカードが利用可能です。当初はハイエンド3D専門グラフィクス向けに設計されたこのテクノロジーが、WebブラウザーやMicrosoft Officeアプリケーションといった、GPUアクセラレーションを活用するビジネスグラフィクスアプリケーションのパフォーマンスを最適化するために利用できるようになりました。

HDX MobileがどのようにWindowsアプリケーションにモバイルネイティブなルックアンドフィールを実現されるのか。

HDX Mobileを使うと、モバイルデバイス上のサポートされているWindowsアプリケーションおよびデスクトップで作業するCitrixユーザーのエクスペリエンスを向上させることができます。HDXにはネイティブのインターフェイス制御チャネルが含まれているため、Windowsアプリケーションをリファクタリングすることによりタッチエクスペリエンスを実現できるほか、マルチタッチジェスチャーやネイティブメニュー制御などのデバイスの機能を活用できます。多くのタッチ機能はCitrix Virtual Apps and Desktopsに装備されており、アプリケーションのソースコードの変更することなく、起動できます。

ネイティブタッチの機能には下記のものが含まれます。

  • テキストフィールドがフォーカスされると自動的にキーボードを表示
  • Windowsコンボボックスコントロールに代わるより大きいピッカーコントロール
  • ピンチやズームなどのマルチタッチジェスチャー
  • 慣性センサーのスクロール
  • タッチパッドや直接のカーソルナビゲーション

HDX Windows Mobile Application SDKを使って追加機能も実装できます。これにより、企業の開発者がなじみのあるWindowsのプログラミング言語を使ってモバイルデバイス向けにWindowsアプリケーションを一度だけアップデートできます。SDKには50以上のAPIが含まれています。下記はプログラム可能なモバイル機能強化の例です。

  • モバイデデバイスでボタンがどのように使われるかを制御。Windowsのコントロールでなく、ローカルのユーザーインターフェースのコントロールを使用。
  • 自動でディスプレイサイズを検知してアプリケーションをリファクターし、利用可能な解像度と水平レイアウトをタブレットやそれより小さいモバイルデバイスの画面に提供。
  • 電話、SMS、GPS、カメラなどのデバイス機能をWindowsアプリケーションのワークフローと統合。

HDXはどのように印刷とスキャンを促進するのか

Citrixはローカルとネットワークプリンターの両方をサポートします。エンドポイントクライアントのローカルで定義されるプリンターは必要に応じてセッションにリダイレクトされます。ネットワークプリンターはActive Directoryのグループメンバー、ユーザーの物理的ロケーションやその他の基準に応じてユーザーセッションが割り当てられます。管理者はCitrix Universal Print DriversとCitrix Universal Print Serverを使って、プリンターネイティブの機能とともに簡素化および安定化をはかれます。

シトリックスはこれらのプリンタードライバーとプリントサーバーテクノロジーを一から開発しました。これらは1つの印刷ジョブがどれだけの帯域幅を必要とするかを考慮し、日常の印刷作業に必要な様々な機能を提供します。1つのドライバーで何百、何千のものプリンターを管理することで、Citrix WorkspaceまたはCitrix Virtual Apps and Desktops環境でのプリンタードライバーの管理が大幅に簡素化されます。

Universal Print Serverを使うことで、印刷エンジンがWindowsの印刷サーバーに移動し、デバイス固有のドライバーをサーバーやデスクトップイメージにインストールする必要がなくなります。ファイヤーウォールに対応した印刷プロトコルは、Windows固有のプロトコルより効率的な帯域幅を提供し、Windows以外のデバイスでも印刷が可能になります。最新のUniversal Print Serverはスケーラビリティの向上、OSサポートの強化、パフォーマスモニタリングも提供します。また、CitrixのCustomer Experience Improvement Program(CEIP)と統合することで、継続して製品の改善を支援します。

スキャナーに関して基本的なUSBダイレクションでサポートしていますが、シトリックスの実装によりエンドポイントとホスト間のインテリジェンスを追加できます。ローカルスキャナーの終端はユーザーが周辺機器とネイティブなUSBスピードでやり取りできるようになっています。スキャンが終了すると、ICAがスキャンされたイメージを圧縮し、ホストサーバーに送ります。つまり、圧縮されたイメージのみがネットワーク上を移動します。

HDXがどのように多種多様な周辺デバイスをサポートするのか。

HDXはシームレスなプラグアンドプレイ接続を、Webカメラ、音楽プレーヤー、音声レコーダー、特別な周辺機器など様々な種類のデバイスに提供します。クラウドへのUSBリダイレクションすることで、これらの周辺機器は数百マイル離れた場所でホストされているセッション内で使用できます。HDXテクノロジーはUSBトラフィックを一般的なWANコンディション下で、USBトラフィックを最適化し、リアルタイムのフィードバックとフル機能のサポートを保証します。クラウドホスト型アプリケーションでのデジタルペン、電子署名用パッド、描画用タブレットのサポートは、小売り、金融、設計、CADなどを含む市場で重要な要件です。Citrix環境が保証する幅広い周辺機器とソリューションについては「www.citrix.com/ready」のCitrix Readyプログラムを確認してください。

HDXがどのように最高のサービスの品質と信頼性を保証するのか。

HDXテクノロジーはICAトラフィック、支社のキャッシング、ICAプロトコル最適化の組み合わせによって、最高のサービスの品質と信頼性を約束します。

仮想アプリケーションとデスクトップトラフィックはネットワーク上のあらゆるものと競合します。厳しいサービス品質保証契約(SLA)を満たすには、ネットワーク管理者はアプリケーションとデスクトップトラフィックの優先順位を決め、最適化を支援し、優れたユーザーエクスペリエンスを毎日提供するツールが必要です。HDXトラフィックの優先順位機能には次のものが含まれます。

  • 標準のQoSルーティング手法を使って、通信チャネルを5つの独立したストリームに分割することにより、使用タイプに基づいて仮想アプリケーションおよびデスクトップトラフィックに優先順位を付けます。仮想デスクトップは次のようにセグメント化できます。
    • リアルタイム専用
    • インタラクティブ
    • バックグラウンド
    • バルク
    • RTP/UDP音声チャネル
  • アプリケーションの種類は識別でき、ネットワーク管理者はWebおよびクライアントサーバーアプリケーションの優先順位を決めることができます。並行して仮想アプリケーションとデスクトップのトラフィックがQoSを維持しながら、利用可能なネットワーク帯域幅の最適な使用率を実現します。

HDXのキャッシングテクノロジーはCitrix Virtual Apps、Citrix Virtual Apps and Desktops、Citrix Workspaceと連携し、シングルユーザーセッションを最適化するネイティブICA圧縮を無効にします。そして、複数のユーザーセッションにまたがるCitrix Virtual Apps and Desktopsの配信をローカルでのキャッシングとビットマップグラフィック、印刷ジョブ、ストリーム配信メディアなどのよくアクセスされるデータの重複除外により最適化します。

ICAプロトコルの最適化には、TCPフロー制御、トラフィック圧縮、およびプロトコル高速化が含まれます。

  • 適応型TCPフローコントロールは、大きなネットワーク遅延とパケットロスを検知することでICAを含むすべてのTCPベースのトラフィックフローを高速化します。その結果、標準のTCP実装に比べて、ネットワークのスループットとパフォーマンスが大幅に向上します。
  • 適応圧縮は高度に同調されたエンジンを使って、その特性、インフラストラクチャ性能とネットワークコンディションに基づいてICAトラフィックを圧縮します。
  • 適応型プロトコルアクセラレーションはネットワークとトラフィックコンディションを検知し、ICAトラフィックのインテリジェントなアクセラレーションを行います。

新しいテレメトリ機能による全体的な診断機能の向上は、環境の健全性とトラブルシューティングに役立ちます。この機能はまた、Citrix Insight Servicesプラットフォーム(cis.citrix.com)とCitrix Smart Tools(smart.cloud.com)を使い、集合データの収集と洞察を提供し、Citrix Technical Supportと緊密に統合します。

ポリシーテンプレートによる管理の簡素化

ユースケースに基づいた定義済みのHDXポリシーテンプレートを使うことで、IT目標を達成しながら、ユーザーが接続の際に最高のエクスペリエンスを享受できるようにします。高度なサーバースケーラビリティのテンプレート、帯域幅に制約されたWANユーザー、セキュリティと制御、高品位なエクスペリエンスが含まれます。これらテンプレートは必要に応じてカスタマイズ可能で、様々なポリシーフィルターを使ってセッションに応用できます。

どのようにHDXテクノロジーとCitrix Virtual Apps and DesktopsがCitrix Workspaceと統合するのか。

HDXテクノロジーはCitrixアプリケーションおよびデスクトップ配信プラットフォームの基盤であり、あらゆるデバイスから、そしてすべてのネットワークを介してアクセス可能な優れた仮想アプリケーションおよびデスクトップソリューションを提供し、エンドユーザーにローカルPCに匹敵するアプリケーションとデスクトップエクスペリエンスを提供します。これはユーザーがマルチメディア、リアルタイムコラボレーション、USB周辺機器、3Dグラフィクスのアプリケーションを低帯域幅で高遅延ネットワークで利用しても可能です。Citrix Workspace、Citrix Virtual Apps and Desktops、HDXテクノロジーを使うことで、IT部門は、Citrix仮想アプリケーションとデスクトップの提供を、企業の本社だけでなく、リモート、モバイル、およびブランチオフィスのユーザにまで拡張することができます。しかも、企業データに対する高度なセキュリティと制御を維持しながら、すべてが可能です。

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