リモートワークの未来を
設計する

新型コロナによるパンデミック後の新しい働き方を予測する際、多くの企業が自社のワークモデルを再考し、柔軟性の高いワーク戦略を取り入れようとしています。あなたの企業にもその必要性が迫っているのでしょうか?

記事 | 読了時間 5分
2020年12月15日
著:Tim Minahan

2019年にはたった33%の従業員が週1日リモートで勤務していました。一方現在では、88%の組織が在宅勤務(WFH)ポリシーを適用し、コロナウイルスによるパンデミックに対処しているとガートナー(Gartner)は報告しています。組織が従業員の安全性を重視するにつれて、リモートワークが私たちの新しい働き方、さらには主要な勤務形態へと変化したことは当然の流れであると言えます。しかし新型コロナワクチンの有効性がニュースで取り上げられ、世界的な経済が回復し始めた様子が確認できるようになるにつれて、従業員たちがシェアオフィスへの回帰を選択し、リモートワークが二次的な選択肢へと戻るのではないかと疑問に思うのは当然のことと言えます。

こうした疑問はもっともな問いである一方で、現在のリモートワーク普及の加速化に見られる複数の傾向に注目すると、リモートワークがあなたのワークフォース戦略の基盤として欠かせないものであることは明らかです。この記事では、リモートワークの重要性を促進する傾向の分析や、組織が従業員を力づけ、企業リソースをより効率的に管理するための柔軟性ある優れたワーク戦略を定義する方法を分析していきます。

リモートワークはどのような形で従業員エクスペリエンスを中央に据えているのか

新型コロナによるパンデミック以前も 在宅勤務は上昇傾向にありました。これは組織と従業員両方にとって、リモートワークが明確な利点を有していたからです。企業はセールスからマーケティング、プログラミングにいたるまで様々な役職をより多くの従業員候補から選ぶことができるため、より容易な雇用が実現可能となりました。一方従業員にとっては、多くの職業上の役割が仮想化されるため、キャリア上での成功やその機会を得るために物理的なロケーションが障害となりにくくなるというのが利点です。また、リモートワークは在宅勤務している73%の従業員のより良い仕事とプライベートのバランスの実現にも貢献し、40%のCEOがリモートワークは従業員の生産性を向上させたと回答しています。

こうしたリモートワークの利点はすべて従業員エクスペリエンスに集約されます。リモート従業員は理想のワークスペース、テクノロジー、勤務時間を選択する力をより多く有し、同時にこうした従業員の自由を受け入れる企業は、よりエンゲージメントと生産性の高い従業員を得ることができるのです。従業員エクスペリエンスを最優先事項として中心に据え、生産性はいかなる場所からでも実現可能であると示すことによって、リモートワークは私たちが思い描く働き方の未来のイメージに大きな変化をもたらす要素であり続けています。

従業員はリモートワークが可能な柔軟性を求めている

リモートワークがこの変化を促進する中、現在多くの従業員がパンデミック後のオフィス復帰を望んでいません。現在在宅勤務している従業員の65%は、パンデミック後にフルタイムのリモート従業員となることを希望しています。一方でこの状況はオフィスの役割の見直しが求められていることを示しているのであり、シェアオフィスが働き方の未来の一部となれない、ということを意味しているわけではありません。同様の調査内で従業員の31%がハイブリッドワーク環境を希望すると回答しています。また、企業が柔軟性の高い働き方を採用している場合、その企業をより支持すると回答した従業員は81%という結果となっています。

40%

のCEOがリモートワークは従業員の生産性を向上させたと回答

ここでの重要なポイントは、リモートワーク戦略を設計する際に柔軟性は主要な要素として据えるべきであるということです。企業リーダーは、従業員が働く場所、希望する働き方、そして最終的には彼らが最高のパフォーマンスを発揮することができる働き方を選択することができる自由を、従業員に提供する必要があります。こうした柔軟性はリモート従業員が使用するテクノロジーにも適用されなければなりません。例えば、柔軟なデジタルワークスペースは、リモート従業員たちが使用するデバイスを問わず、生産的に仕事するのに必要なすべてのアプリとツールを提供することが可能です。

柔軟な働き方を採用することで、企業リソースと運用を最適化する

従業員の勤務エクスペリエンスに、より多くの手段をもたらすことで従業員を強化することに加えて、柔軟なリモートワークモデルは企業リソースの最適化を実現することも可能です。世界的なワークプレイス分析調査(Global Workplace Analytics)によると、典型的な企業は、勤務時間の半分をリモートで働く従業員1人あたりにつき、年間約$11,000を節約することができるとしています。こうした経費の削減は、76%のCEOが、今後はこれまでほどの規模のオフィス空間を必要とはしないだろうと確信する理由を明らかにしています。

コスト削減以上に、先進的な考えを持つ企業は既に自社のワークモデルの見直しと修正、ワークフォース戦略の分析、そして物理的オフィスの役割の徹底的な見直しを行っています。例えばガートナー(Gartner)の予測では、2024年までに対面式のミーティングはエンタープライズミーティングの60%から25%に低下するとしており、これはリモートワークと労働力人口動態の変化によるものであるとしています。つまり企業の働き方の未来を設計する際には、実際の不動産投資によりも、ビデオ会議やSD-WAN、そして一貫した安全な勤務エクスペリエンスをすべてのデバイスとロケーションで展開可能なデジタルワークスペースといった、リモートワークテクノロジーへの投資をより多く行うことになるでしょう。

76%

のCEOが今後以前ほどの規模のオフィス空間を必要することはないと確信しています。

働き方の未来は柔軟である

柔軟性の高い働き方は現在定着しています。働き方の未来、さらにはリモートワークの未来に向けた戦略を設計する際、どこで、いつ、どのように働くのかといった選択の自由を、従業員により多く提供するための術を探しましょう。こうしたアプローチは企業のリソースや運営をよりダイナミックな方法で管理するためのサポートとなるだけではなく、従業員エクスペリエンスの向上にもつながります。これにより企業は、雇用、エンゲージメント、そして従業員がどこでも最高のパフォーマンスを発揮することができるようにサポートする従業員強化における競争で、優位に立つことができるのです。

 

著者について

Tim Minahan

Tim Minahanはシトリックスのビジネス戦略EVP兼最高マーケティング責任者で、集中戦略イニシアチブと企業全体のビジネス戦略の促進において積極的な役割を果たしています。