リモートワークが普及した世界でのオフィス空間の未来像 

新型コロナによるパンデミックは様々な仕事や作業をリモートへと移行し、在宅勤務の普及を可能な限りの速さで加速化しました。現在、人々は様々な場所から生産的に勤務しています。では未来のシェアオフィス空間とはどのようなものなのでしょうか?

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2020年11月6日

アメリカが5月にコロナウイルスによるパンデミックからの再始動を始めた時点でも、アメリカ国内の約70%近くの従業員がリモート勤務を継続していました。さらにギャラップ(Gallup)による調査は、制限が緩和された後にシェアオフィスに戻りたいと考える従業員は4人中たった1人という結果を明らかにしました。未来のオフィスを想像した際、現在大半の人々は物理的に場所を問わずに位置し、働き方を柔軟にサポートするワークスペースを思い描きます。適切なテクノロジーを用いることでリモートワークフォースは素晴らしい勤務エクスペリエンスを共有しつつ以前と変わらない生産性を維持することが可能となるのです。

しかし、物理的なオフィスの重要性が消失したわけではありません。オフィス環境には非常に長い歴史と多大な投資があり、優れた人材獲得競争においてオフィスが果たしてきた役割を無視することはできません。未来のオフィスの成功は、未来のオフィス従業員が求める柔軟性と対面式のコラボレーションを提供できるかどうかにかかっています。従業員エンゲージメントにおいて物理的なオフィス空間がパンデミック以前に果たしてきた重要性を分析することで、私たちはリモートワークが普及した世界でのオフィス空間の未来像をより明確に想像することができるようになります。

未来のオフィスが人材獲得競争を勝ち抜く方法とは

物理的なオフィス空間のデザインは決して偶然に生まれたものではありません。最近公開されたNYTビデオA Brief History of Work(労働の略歴)では、企業が異なる価値を優先させるために発展を続ける自社のワークスペースを設計している様子が公開されています。同一のワークスペースデザインを持つ現場は、効率性の向上を容易にします。個々の作業や働き方を柔軟にサポートするオフィス空間は、オフィス従業員の集中と創造性の促進に貢献します。またオープンオフィスプランは、コラボレーションとチームワークを最優先事項に据えています。

パンデミック前、オフィスは生産性や企業文化、そして人材獲得競争を勝ち抜くために欠かせないものである、というのが社会通念でした。

数十年に渡ってオフィスデザインを統一してきたものは、従業員がベストなパフォーマンスを発揮することができ、従業員が働きたいと思う空間を生み出してきました。これまでの一流企業は、自社のオフィス空間を採用活動時のツールとして頼みにしており、充実したエクササイズ施設や食事オプション、そして優れた人材を惹きつける様々な社内特権を提供していました。しかしリモートワークという新しい働き方の普及が加速化し、企業がオフィスにソーシャルディスタンスを適応している現在では、優れた人材の雇用や維持、そして彼らとのエンゲージを測る際に物理的なオフィスが発揮する役割とはどのようなものでしょうか?

柔軟性のある働き方を目指して、ワークスペースの未来を設計する

ワークプレイスの未来を再考する際、従業員の希望や選択を中心に据えた柔軟性のある働き方を目指してワークプレイスを設計する必要があります。そしてリモート勤務を希望する多くの従業員の意見を受け入れましょう。しかし彼らが再び共有のワークスペースへと戻る理由もきちんと提供しましょう。Kreston ReevesのシニアパートナーであるAndrew Griggsは、以下のように述べています。「オフィスの目的とは何でしょうか?私たち企業は、従業員たちがぜひ足を運びたいと思うような魅力的な空間を形成する必要があります。コンピューターがあるというだけでは、従業員はオフィスに戻って来ないのです。」確かにすべての課題に応用できるような単一のソリューションは存在しませんが、あなたの優秀な人材に最も合ったスマートなオフィスを目指して舵を切り、それぞれの役割がどのように発展していくのかを見守りましょう。

優秀な人材と最も優れたレベルでエンゲージできるシェアオフィスを生み出すためには、従業員たちが未来のオフィス空間に何を求めているのかを実際に尋ねることから始めましょう。コロナウイルスによるパンデミックの影響を受けて、従業員たちは屋外のミーティングスペースや安全性を考慮して設計された対面式のコラボレーションルームを以前よりも希望するかもしれません。また、従業員の役割の促進・発展をサポートするテクノロジーをワークプレイスに採用することも重要です。例えば、従業員がマネージャーへと昇進した際、彼らは仮想上のホワイトボードや複数のカメラを備えたミーティングルームといったデジタルコラボレーションツールを活用することが可能です。こうしたテクノロジーがよりクリエイティブな連携作業を可能にするため、マネージャーはリモート従業員と社内従業員の両方とエンゲージしやすくなります。

対面で行うことで最も効果的に機能するシェアアクティビティに注目しましょう

物理的なオフィスを最大限に活用するために、リモートでの実現が難しいアクティビティを促進しましょう。この交流アクティビティには以下が含まれます。

  • グループトレーニングセッションは、従業員が同一の部屋で行った方がより効果的であり、特に新しいプラットフォーム上で複数の従業員のコラボレーションを必要とするような新しいテクノロジーを導入する際にはさらに効果的です。
  • 新入社員オリエンテーションも同様に、可能な場合対面式で行う必要があります。これはオリエンテーションの最も重要な要素が、全新入社員間で責任やコミュニティの共有感を構築することであるためです。
  • 従業員の指導と才能の開発は、常に対面式の交流から恩恵を受ける感情的かつ共感的な作業です。

すべての対面式アクティビティの中で、テクノロジーは従業員たちの安全なオフィス復帰を実現する際に中心的な役割を果たします。コンタクトレス(非接触型)の検温スキャナーは既にAmazonで使用されており、感染している可能性のある従業員がシェアオフィス内へ立ち入ることを防ぐのに役立っています。また、未来のオフィスでは共有デスクといった共有の作業スペースが縮小される可能性が高いでしょう。その他にも音声で起動するドアやエレベーター、キッチンアプライアンスを導入することで、誰もが触れるボタンの数を減少させることが可能です。あるいはAI搭載の清掃ロボットを導入し、勤務時間後に共有エリアの消毒を行うといったスマートオフィスの実現も可能かもしれません。

オフィスの未来は、よりスマートな共有ワークスペース

コロナウイルスに上手く対処している国々で、オフィスの未来を垣間見ることができます。ドイツではオフィス従業員の74%が現在共有のワークプレイスへと出勤しています。しかし週5日間出勤している従業員はたった50%です。この数値が示すのは、オフィス空間に対するより柔軟性の高いアプローチが既に機能し、従業員の勤務を強化・サポートしているということです。適切なテクノロジーと柔軟性をワーカーに提供することで、リモートワークと共有のワークスペースに対するよりスマートなアプローチを見事に融合した未来のオフィスを構築することができるようになります。