Citrix Virtual Apps and Desktopsで 銀行業務のデジタル革新の基盤を構築

中国地域のリーディングバンク、中国銀行では、シトリックスの仮想化ソリューション「Citrix Virtual Apps and Desktops」を活用して営業業務のデジタル化を実現。働き方改革と顧客 満足度の向上を両立させ、銀行のデジタルイノベーションに向けた大きな一歩を踏み出すこと に成功しています。

IT による構造改革に取り組む

「自主健全経営を貫き、ゆるぎない信頼と卓越した総 合金融サービスで、地域社会とともに発展する」─。

このフレーズを経営理念として掲げ、地域のリー ディングバンクとして経営基盤を確立しているのが、 岡山県を地盤とする中国銀行です。岡山県を中心に 155 の本支店を展開し、東京などの大都市や海外、 さらにはインターネット上にも支店を構えています。

2017 年には、長期経営計画「Vision2027 未来共 創プラン」を打ち出し、2020 年4 月から中期経営計 画「未来共創プラン ステージⅡ」を推進しています。

この計画は、前中期経営計画「未来共創プラン ス テージⅠ」の成果を土台にしながら、「地方創生」「組 織の活性化」「お客さま本位の営業の深化」「SDGs」、 さらには、ITによる業務の効率化や顧客接点の強化、 新たな顧客体験の創造などを目指す「デジタル戦 略の強化」など、5つの柱が掲げられ、それぞれの取 り組みが進められています。

ここで言う「未来共創プラン ステージⅠの成果」とは、 戦略的なIT投資による構造改革を示しています。実際、 同行ではすでに、IT投資によって営業プロセスなど のBPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)を遂行 し、営業業務の効率化と営業力の強化、ひいては顧客 満足度の向上という成果をすでに手にしています。

その施策展開を支えるIT 基盤として機能している のが、シトリックスの仮想化ソリューション「Citrix Virtual Apps and Desktops」です。

営業のBPR を目指し、 仮想デスクトップを選択

中国銀行では以前から、営業活動の効率化を目指して タブレット(iPad)を導入し、営業店の渉外担当者(営業 担当者)に携行させていました。これにより、営業担当 者は、インターネットにアクセスして、営業活動の参考に なるような情報を入手したり、各人のスケジュールを管 理したりが自由に行えていたわけです。ただし従来は、 タブレットから行内のOA(オフィスオートメーション)シ ステムを利用することができず、営業のBPRにつながる ような効率化は成しえていませんでした。

そこで同行が構想したのが、仮想デスクトップのソリュー ション(SBC方式のソリューション)によってOAシステム のシンクライアント化を図り、タブレットからセキュアに 行内のOAシステムが利用できる仕組みを整えること です。この方式では、タブレットにはOAシステムの操 作画面が転送され、その画面を通じてOAシステムの活 用が可能になりますが、タブレットのローカル環境と OAシステムとは論理的に分離され、2つの環境の間で データのやり取りは行えません。そのため、タブレット 側にOAシステムのデータが残ることはなく、業務デー タのセキュリティがしっかりと確保されることになります。

「こうしたシンクライアントの仕組みと併せて、電子署名 の仕組みを導入してお客様との契約プロセスのデジタ ル化を図り、かつ、申請/承認フローのデジタル化を進 めれば、営業のあり方がドラスティックに変えられると考 えました。それが、仮想デストップのソリューションを導入した最大の理由です」(中国銀行 デジタルイノ ベーション推進センター、松永雅利氏)。

Citrix Virtual Apps and Desktopsで 2,000台強の端末をカバー

営業のBPRに向けてOAシステムのシンクライア ント化に乗り出した中国銀行では、導入する仮想デ スクトップソリューションの候補を絞り込み、PoC (概念検証)を実施しました。結果として選んだのが、 Citrix Virtual Apps and Desktopsです。

その選定理由として、中国銀行 システム部の曽我 部基光氏は、「金融機関での導入実績の豊富さ」と 「電子署名システムの動作パフォーマンスの高さ」 の2点を挙げます。

「営業のBPRを実現するには、タブレット上のシン クライアント環境で電子署名の仕組みを快適に動 作させる必要がありました。それを可能にした仮 想デスクトップのソリューションが、候補製品の中 で唯一Citrix Virtual Apps and Desktopsだ けだったのです」(曽我部氏)。

また、タブレットをシンクライアント端末として利用 した際の操作性についても、Citrix Virtual Apps and Desktopsが最も優れていたといいます。

「シトリックスでは、『Citrix X1 Mouse』と呼ばれ るマウスを提供していますが、これを使うと、タブ レット上でWindowsアプリケーションを違和感 なく操作できます。当行ではOAシステムのシン クライアント化に伴い、行内のOA業務端末として もタブレットを使用し、会議のペーパーレス化など に役立てようと考えていたので、シンクライアント 環境の操作性の高さは、Citrix Virtual Apps and Desktopsを選ぶ大きな要因になりました」 (システム部、久本伸一氏)。

こうしてCitrix Virtual Apps and Desktopsの導 入を決めた中国銀行では、Citrix Virtual Apps and Desktopsのサーバをデータセンターに配置 し、閉域網を通じて行外からタブレットで接続可能 な環境を構成しました(図)。2019年の時点で、す でに営業店に配備されている1,720台の営業用タ ブレットがOAシステムのシンクライアント端末とし て機能できるようになっているほか、本部に配備さ れている内勤用のタブレットやOA業務用パソコン に対してもシンクライアント環境が適用され、 Citrix Virtual Apps and Desktopsがカバーする 端末数は合計で2,170台に及んでいます。

銀行の文化を変えるほどのインパクト

Citrix Virtual Apps and Desktops による OAシステムのシンクライアント化は、当初の目 的であった営業のBPR の実現をはじめ、数々の 効果を中国銀行にもたらしているといいます。

例えば、先にも触れたとおり、中国銀行では、OA システムのシンクライアント化と併せて、電子署 名による契約プロセスのデジタル化やワークフ ローシステムの導入による申請/承認プロセス のデジタル化を行っています。これにより、営業 担当者が顧客先に訪問し、その場で投資信託な どの契約を結び、オンラインで処理することが可 能になっています。

「結果として、営業担当者が顧客先から都度帰行 して事務手続きを行う必要がなくなり、営業担当 者によるお客様先への訪問件数の増加やソ リューション提案力の強化、ひいてはお客様満足 度の向上へとつながっています」(システム部、 森安和彦氏)。

また、OAシステムのシンクライアント化とワーク フローシステムなどの導入により、会議を含む行 内業務のペーパーレス化も大きく進展し、同行の 文化も変わり始めているといいます。

「当行に限らず、銀行では『紙』と『ハンコ』による 承認によって業務を回す文化が根づいてきました。

それが当行では、オンライン上で情報を共有し、 申請/承認を行い、業務を回すのが当たり前に なっています。つまり、古い文化に代わり、デジタ ルを使ってモノゴトを効率的に処理する新しい文 化が根づき始めているというわけです」(松永氏)。

一方、Citrix Virtual Apps and Desktopsによ るOAシステムのシンクライアント化は、IT 運用 管理の効率化にも大きく貢献しているといいます。

「デストップ環境の設定変更やアプリケーション の配布など、クライアント環境の運用管理をサー バ側で集中的に行えるようなった効果は非常に 大きいと感じています。新しいアプリケーション のテストを行う際も、業務の現場の端末に当該ア プリケーションを簡単に配布して、実際のエンド ユーザーに操作性や品質をチェックしてもらえま す。このような効率性はファットクライアントの環 境では実現できません」と、曽我部氏は語り、久本 氏もこう続けます。

「Citrix Virtual Apps and Desktopsによるシ ンクライアントの環境では、端末ごとに導入する アプリケーションが異なり、複数の環境パターン を展開しなければならない場合でも、パターン管 理が簡単に行えるので非常に助かっています」 加えてもう一つ、Citrix Virtual Apps and DesktopsによるOAシステムのシンクライアン ト化は、新型コロナウイルス感染症の流行へのス ピーディでスムーズな対応を実現するという想 定外の効果も生みました。

「当行のシンクライアント環境は、もともと行外で 仕事をする営業担当者に向けて整えたものです。 ですので、コロナ対策としての従業員のテレワー クも、特別なセキュリティ対策を講じることなく、 素早く展開することができまました」(松永氏)。

中国銀行では今後もCitrix Virtual Apps and

Desktopsによるシンクライアント環境の適用範 囲を押し広げていく計画です。具体的には、 2020 年末のOAシステムの更改に合わせて、中 国銀行と関連会社の合計で5,290 台の端末が、 OAシステムのシンクライアント端末として機能 できるようになり、それらの端末の中には、営業 店配備の勘定系端末も含まれているといいます。

Citrix Virtual Apps and Desktops は今後、 同行のデジタル戦略を支える中心的な基盤とし て活躍することになりそうです。

Citrix Virtual Apps and Desktopsの導入は 銀行の文化を変えるほどの 効率化効果をもたらしています
松永 雅利 氏
総合企画部 デジタルイノベーション推進センター 次長
株式会社中国銀行