ロードバランサーのライセンスをサブスクリプション化することで 最適なキャパシティ管理を実現、 ハードウェアとライセンスのコストを削減

KADOKAWAグループのIT 戦略会社として、グループ企業を対象に各種ICT サービスを提供して いるKADOKAWA Connected。同グループでは映画、書籍、動画、ゲームなどさまざまなWeb サービスを展開していますが、Web 配信の中核を担うロードバランサーの需要予測やTCO の削 減に課題を抱えていました。そこで同社は、ゼロキャパシティハードウェアや仮想版VPXなどにプー ルしたライセンスを、サブスクリプションで共有して利用するCitrix ADC Pooled Capacity を導 入。これにより、デバイスのキャパシティをサービスの拡張や縮小に応じて柔軟に増減することが 可能になり、コストの最適化が実現。ロードバランサーの集約も進み、運用負荷も軽減されました。

株式会社KADOKAWA Connected 事例 PDF

課 題: 需要予測の難しさから ロードバランサーにまつわるコストが 高止まり

KADOKAWA Connectedは、KADOKAWAグルー プにおけるデジタルトランスフォーメーション(DX) の推進を加速させるべく、KADOKAWAおよびド ワンゴのICT部門を統合するかたちで2019年4月 に設立された会社です。KADOKAWAグループに て展開する映画や書籍の公式サイト、ニコニコ動画、 ゲームほかさまざまなWebサービスのインフラ基 盤の開発、ネットワークの構築・運用、ICTコンサル ティングや働き方改革支援を手掛け、その実績を活 かしたDXアドバイザリーサービスを提供しています。

この点についてKCS 部 Network&Facility 課 課 長の東松裕道氏は「グループのICTを一元管理する ことで作業効率を高めるとともに、最高水準のICT サービスを提供することが私たちのミッションです。 現在はDXサービスや外販を開始しており、新たなビ ジネスモデルの確立に向けて動いています」と説明 します。

現在、同グループではさまざまなWebサービスを 運用するため、大量のロードバランサー(以下、LB) を導入しています。しかしこれまでは、サービスを提 供する各部門が独自にLBを調達、設定していたため管理が追いつかず、ハードウェアやライセンス、運 用にかかるコストが膨大なものになっていました。

Managed Service部 Infra Consulting課の髙 橋真緒氏は「自由な社風ゆえ、LBの購入はサー ビス部門に任されていたのですが、結果としてコ ストが高止まりしてしまいました。そこで今回の当 社の設立を機に、グループ内のインフラやライセ ンスを集約し、コストの削減を図ることにしたので す」と振り返ります。

Webサービスは事前に正確な需要を予想するの が難しく、急激に伸びた場合はLBやライセンスの 追加導入が発生します。逆に予想より需要が低け れば過剰投資となり、スケールダウンも困難です。

KCS部 Network&Facility課の熊谷暁氏は「当 社の場合、LBは負荷分散機能以外にもSSL VPN、 WAF、SSL 終端など数多くの用途で利用してい ます。それだけに、各部門からのリクエストに対し、 できるだけ短いリードタイムで最適なキャパシ ティのLBを提供したり、検証環境をスモールス タートで速やかに提供したりすることができる柔 軟な仕組みが必要と考えました」と語ります。

ソリューション: ライセンスをサブスクリプションで 共有できる Citrix ADC Pooled Capacity を採用

こうした課題の解決を目指し、KADOKAWA Connected はCitrix ADC Pooled Capacity (以下、Pooled Capacity)に注目しました。

従来の買い切り型ハードウェアアプライアンスは、 キャパシティとハードウェアをセットで購入するた め、両者は切り離すことができません。結果、キャ パシティが余ったアプライアンスがあったり、逆に 不足したアプライアンスがあったりと、無駄が生ま れてしまいます。一方、Pooled Capacityはライ センスの入っていないゼロキャパシティハードウェ アや仮想版のVPXなどを利用し、ライセンスをサ ブスクリプションで共有することが可能です。そ のため、ライセンスとハードウェアに余裕があれ ば、すぐに増速することができます。反対に、想定 より需要が少なければすぐに減速が可能です。開 発用に検証環境が必要なときは、仮想版のVPX を通して即時に用意できます。

そこで同社はPooled Capacity の採用を決定。 併せて、ゼロキャパシティハードウェアのCitrix ADCと、これらを統合管理するオーケストレーショ ンツールCitrix ADMの導入を決めました。

「Citrixを選んだ理由ですが、Pooled Capacity でアプライアンスや仮想環境下でライセンスをサ ブスクリプションで共有できることに加え、Citrix ADMで一元的にLBのライセンスを認証し、簡単 にデプロイできることがあります。特にCitrix ADMのAPIを使ってLBを統合的に管理できると いうのは大量のLBを管理するうえで効果的と判 断しました。サポートについても、Citrix の優秀 な技術者から的確なアドバイスを受けられる点で 安心感がありました」(東松氏)

導入効果: ハードウェアやライセンスのコストが軽減 開発スピードの向上も実現

Pooled CapacityとCitrix ADMの導入プロジェ クトは2019年3月からスタート。同年5月には利 用が始まっています。

今回の導入により、LBの構築について物理的な 購買・設計が不要になり、短期間で提供すること が可能になりました。KADOKAWA Connected では今後も利用範囲を拡大しつつ既存のLBを整 理し、アプライアンスやライセンスを集約して管 理の標準化を図るとしています。

「Pooled Capacityの利用を開始して1年足らず ですが、ゼロキャパシティハードウェアや仮想版の VPXに置き換えることで、従来のLBで発生してい た管理工数を軽減できました。今後もLBのサポー ト切れのタイミングでPooled Capacity への移 行を進め、台数を5分の1近くまで集約する予定 です。これにより、コストや運用負荷がかなり削減 できると見込んでいます」(髙橋氏)
また、サブスクリプション化により利用量に応じた 割当ができるようになったため、スモールスタート が可能になりました。

「仮想環境なら30分以内に提供ができるので、 サービス部門のエンジニアは好きなタイミングで VPXの検証環境を構築し、LBはもちろんのこと、 WAF、VPNといった機能を試してみることが可 能になりました。結果として、エンジニアの中に思 い付いたタイミングで試してみるというチャレン ジ意識が生まれています」(熊谷氏)

現在、開発者の利便性を高め、運用管理者の負担 を軽減するため、Citrix ADMのAPIを使った社 内向けのコンソールも開発中です。これにより、 サービス開発者は自身でLBのデプロイや設定が できるようになり、開発のスピードアップと運用負 荷の軽減が実現する見込みです。

今後のプラン: グループ社員約5,000 人を収容する VPN サーバーの構築を検討

KADOKAWA Connectedでは今後、Pooled Capacityの利用範囲をグループ全体へ拡張する とともに、SSL VPNに適用していくことも検討し ています。KCS部 Network&Facility課の松本 洋平氏は「グループの社員約5,000人を収容する VPNサーバーの構築を計画しており、2020年中 にグループ会社全体に展開予定です」と語ります。
また、既存のLBには同一のアプライアンス内に SSL VPNやSSL 終端などの機能も混在している ため、ネットワーク構成が複雑化。バグの発生率 が高くなっています。そこでPooled Capacity を用いて各機能を整理して分離し、1つの仮想環 境内に1つの機能を配置することで、バグ対応を 容易にすることを検討中です。

Citrixに対しては、今後も継続的なサポートを望 むとしています。東松氏は「セールスエンジニア の迅速かつ丁寧な対応には満足しています。今後 も、Pooled CapacityやCitrix ADM の活用に 向けて、的確なアドバイスをお願いします」と語っ てくれました。

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必要な時にロードバランサーの帯域を増減できる Pooled Capacityにより、需要予測が不要になりました。 コストや運用負荷が削減され、 スモールスタートが可能になっています
東松 裕道 氏
KCS 部 Network&Facility 課 課長
株式会社KADOKAWA Connected

導入製品

導入後の効果

  • Pooled Capacityによりライセンスコスト や運用保守コストの削減が加速する見込み
  • サブスクリプション化により、需要に基づいた 割当が可能になり、スモールスタートが実現
  • サービス開発者は好きなときに自 身で検証環境を構築できるように