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ITソリューションプロバイダーの丸紅ITソリューションズは、協力企業のスタッフを含む約1000人を対象に、DaaSの本格利用を開始しました。具体的には、マイクロソフトの「Azure Virtual Desktop」とシトリックスの「Citrix Virtual Apps and Desktops Standard for Azure」を連携させた環境です。これは国内初の全社導入であり、リモートワークのエクスペリエンスを大きく改善するとともにガバナンスを強化することに成功しました。
丸紅ITソリューションズは、かなり前からVDIと関わってきました。まだ同社が設立される前の丸紅グループとしての取り組みまで遡るなら、10年以上も前の2009年に「VIRTUATOP」の一般向け提供を開始しています。当時はまだ、Windows Serverの標準機能を利用したターミナルサービス方式のシンクライアントが主流であり、高性能な基盤が必要なVDIにおいて、最適なリソース配分や障害時の対応などには、先駆者ならではの苦労が伴いました。
丸紅グループとしてVDIのノウハウを蓄積していたこともあり、2014年に設立された丸紅ITソリューションズでも、当然のことながら全社的に利用しています。同社のVDI環境を利用するユーザー数は、開発パートナーや協力会社のスタッフを含めて約1000人の規模に達するようになりました。
ただ、VDIの適用業務や利用規模が拡大していくに伴い、様々な課題が顕在化してきました。同社の村田信史氏(ソリューション事業本部 セキュリティソリューション部 ソリューション一課 上級PM)は、このように話します。「もともと使っていたVDIはクラウドとは言いながらハードウェアを占有しており実質的にはオンプレと同等でした。そうした中でホストサーバーのパフォーマンスが徐々に悪くなり、トラブルが頻発するようになったのです。また、リモートでVDIを利用するユーザーの増加に伴って、サービスデスクには『デスクトップが立ち上がらない』といった問い合わせも目立つようになったのです」。
そこで丸紅ITソリューションズが検討を開始したのが、自社のVDI環境をクラウドに移行するという方法です。丸伊希氏(経営管理部 情報システム課 課長)は、「データセンターには丸紅グループや関連企業も同居しており、様々なリソースを共用していたことから、当社が直面した性能問題が他社でも発生していました。とはいえ、ホストサーバーをはじめとするリソースを増強するには多大なコストと時間がかかります。ならば、自分たちがVDIで使っているコンピューティング環境をデータセンターからクラウドへオフロードすることで、グループ全体の負荷軽減を図るのが最善と考えました」と振り返ります。
その構想を描いた2020年夏の時点で既に採用の検討を進めていたのが、マイクロソフトがAzureを通じて提供しているDaaS(Desktop as a Service)の「AVD(Azure Virtual Desktop)」でした。
この選定の理由について丸伊氏は、「約1000人のユーザーのデスクトップを短期間に移行できるメガクラウドとして、やはりAzureを基盤としていることに大きな安心感がありました。また、一般に提供されているWindows10は1人1台の環境を用意する必要がありますが、これに対してAVDで提供されるWindows10は1つの仮想マシンに複数のユーザーが同時アクセスする、マルチセッション接続で利用することが可能です。これによりVDIの集約率を飛躍的に高めて運用コストを削減できると考えました」と語ります。
ただし、すべて満足というわけではなく、エンドユーザー側で利用できるデバイスの選択肢や管理機能などで物足りない面もありました。「新型コロナウイルスの感染拡大が起こり、多くの社員がリモートワークに移行していた中で、これは運用上の不安材料でもありました」と村田氏。情報収集と議論を日々重ねる中で有力候補として挙がったのが、シトリックスの「Citrix Virtual Apps and Desktops(CVAD) Standard for Azure」とAVDを連携利用するという方法でした。
「さっそく検証を進めてみたところ、シトリックスの充実した管理機能を活用でき、Macやタブレットなどのデバイスにも対応できるほか、HDXプロトコルを用いた画像・音声圧縮技術によりWeb会議の通信を最適化してユーザビリティを向上できる、AVD標準では備わっていないセキュリティ機能を利用できるなど、様々なプラスアルファのメリットを得られることが確認できました。もちろんAVDの最大の特長であるWindows10マルチセッションもそのまま利用することが可能です。私たちの懸念は解消され、この仕組みならば社員に快適なVDI環境を提供できると判断しました」と丸伊氏は採用に至った理由を説明します。
こうして全社規模で導入されたCVAD Standard for Azure+AVDへのデスクトップの移行作業は2021年の年明けとともに開始。まずパートナーや協力会社のスタッフを移し、続いて社員を移すという2段階のスケジュールを組み、3月中旬までに約1000人のユーザーのすべてのデスクトップの移行作業を完了しました。特筆すべき点としては、社員についてはわずか2日で移行を完遂できたことが挙げられます。「すべてのユーザーがほぼ一斉に旧VDI環境からCVAD Standard for Azure+AVDへ切り替えたのですが、問題なく運用を開始することができました」──こう話すのは村田氏です。
「Window 10マルチセッションについては、仮想マシン1台あたりに何人のユーザーを割り当てるか、まずはメーカー推奨値で運用してみたものの必ずしも最適にはなりませんでした。こうしたこともあり、切り替えから1週間程度は少し混乱もありましたが、今ではすっかり落ち着いてユーザーに快適なデスクトップを提供できています。CVAD Standard for Azureの管理機能を使えば、様々な設定変更も簡単かつ試行錯誤的に行えるので、とても助かっています」と丸伊氏も評価しています。
そして運用を開始して半年弱が経過した現在、CVAD Standard for Azure+AVDは丸紅ITソリューションズのVDI環境に大きな成果を上げ始めています。
まずは先の丸伊氏の言葉にもあったような、運用上での柔軟なチューニングです。西澤明人氏(ソリューション事業本部 セキュリティソリューション部 セキュリティソリューション課)は、こう話します。「旧VDI環境では、例えばユーザーから『Windows 10のログイン画面につながるまでに長時間待たされる』といった問い合わせを受けた場合も、その原因を特定するのが困難でした。これに対してCVAD Standard for Azure+AVDでは、デスクトップに接続するまでのステップごとにどれくらいの時間がかかっているのか、管理画面にグラフィカルに可視化する機能があるので、詳細に切り分けて分析することができます。ユーザーのエクスペリエンス(体感パフォーマンス)を低下させているボトルネックがどこにあるのか、短時間で突き止めて対処できるようになりました」。
加えて、各デスクトップに対するガバナンスの強化もポイントです。「実のところ旧VDI環境では、会社から正式に許可されていないアプリをユーザーが勝手にインストールしている、いわゆるシャドーITを発見することもありました。テキストエディタや画像編集ソフトが幾つもインストールされているなど軽微なものではありますが、ガバナンスの観点では看過できません。現在のCVAD Standard for Azure+AVDではユーザーの権限を厳重にコントロールし、システム領域を勝手に変更できない設定となっているので、もう心配はありません」(丸伊氏)。
さらに丸紅ITソリューションズは、曜日ごとの利用状況を反映させた詳細なスケジュールを設定してCVAD Standard for Azure+AVDの電源管理を行っており、Window 10マルチセッションを用いたユーザーの集約化との相乗効果により、無駄なインスタンスの稼働をできるだけ抑えることで、運用コストの削減にもつなげています。「実際に利用したり運用したりしないと分からない細かいことまで含めて、多くの経験値を蓄積することができました」とは丸伊氏の弁です。
こうした手応えを掴んだことによって丸紅ITソリューションズは、CVAD Standard for AzureとAVDを基盤とするこのVDIを、いよいよ自社ブランドのDaaSとして本格的に市場展開していく構えです。すでに、数千ユーザーという大規模案件の相談が持ちかけられており、プロジェクトが動き始めています。
「今回、CVAD Standard for AzureとAVDの組み合わせによる導入からチューニング、運用安定化まですべてのフェーズを自分たちの手でこなしてきたことで、はじめて見えてきた使いこなしの勘所があります。そうしたノウハウやベストプラクティスをセットにした形で、幅広いお客様に快適なDaaSをお届けしていきます」と村田氏は取材を締めくくりました。
直感的な管理機能と快適なユーザビリティを備えたCVAD Standard for Azureは、今後の働き方改革を見据えた切り札と言えるでしょう
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