Citrix SD-WANでWAN回線の有効活用と WAN最適化を実現

2005年10月1日に日本道路公団の民営化により発足した高速道路会社NEXCO(ネクス コ、Nippon EXpressway COmpany Limited) は、NEXCO東日本、NEXCO中日本、 NEXCO西日本のグループ3社から成り立っています。また、その各グループの中で担当するエ リア、事業領域に応じて会社を構成しています。

NEXCO西日本エンジニアリング四国株式会社( 以下、NEXCO西日本エンジニアリング四国) は、四国内の高速道路の保全管理、建設監理などを担当し、高速道路を通して地域の発展に寄 与し、社会に貢献しています。NEXCO西日本エンジニアリング四国がそれらの事業を支えるイ ンフラとしてCitrix SD-WANを採用し、さらなる通信の高速化、安定化を実現しています。

西日本高速道路 エンジニアリング 四国 株式会社 事例 PDF

課 題: 旧機器の製品サポート終了とバックアップWAN 回線の効率化

 現在、NEXCO西日本エンジニアリング四国では四国 内に点在する各事業所を、NEXCOグループが所有する 広域イーサネット網「グループネットワーク」で接続。高速 道路の光ケーブルを使ったNEXCO自営のネットワークを 使用することで二重化しています。

高速道路の保全・建設事業を手掛けるNEXCO西日本エ ンジニアリング四国では「業務をする上で、事業所は郊外 のインターチェンジなどに併設されている場合が多いため、 通信回線の品質についても、決して快適な状況であるとは 言えないのが現況です」と経営企画本部 経営企画部 情報 システム課長 三宅 賢二 氏は説明します。

そのような決して好条件とは言えない通信環境から WANを経由する安定したユーザーエクスペリエンス が求められました。また、2009年に、それまで各事 業所毎に設置していたファイルサーバーを本社に集 約し、一元管理をする構成に変更したことにより、ファ イルサーバーへの通信が各事業内からWANを経由 する本社接続になることで、WANの最適化に関す るニーズに拍車がかかりました。そこで、回線帯域不 足を補い、WAN通信の最適化を目的として、現在の Citrix SD-WANの旧モデルにあたるCitrix WAN Scalerを導入していました。

しかしながら、WAN Scalerは旧モデルのため、先ごろ製品サポートの終了(EOL:End of Life)を迎え てしまい、新たな機器への更改に迫られていました。
また一方で災害対策、BCP、管理の一元化を目的と して、各事業所にあったファイルサーバーを本社と データセンター間で一括集中管理することになり「今 までの通信速度では対応しきれないのでは、という 懸念があった」と三宅氏は説明します。

ソリューション: WAN 最適化機能を引き継いで、更に機能強化された Citrix SD-WAN を採用

WAN最適化のためにCitrix WAN Scalerを導入して から10年近くも経過していたため、「通信環境や端末 等の変化からWAN最適化自体が必要ないのではな いか」と考えていたNEXCO西日本エンジニアリング 四国は、後継機の導入が必要かどうかを判断するため に2018年中頃からPoC(Proof of Concept: 実証実 験)を開始。シトリックスののエンジニアの支援を受け ながら、最新モデルCitrix SD-WANを使用した環境 で検証を進めました。

PoCの中では様々な通信プロトコルと、3種類のパケッ トサイズを用意して、実環境と近い通信を再現し、その 転送速度を測定するという手法をとりましたが、その 中でもっとも改善効果が高かったのは、汎用的な Windowsファイル共有プロトコルである CIFS(Common Internet File System)プロトコル でした。

PoCの結果として、WAN最適化効果としては転送速 度が最大で約10倍高速化され、回線使用帯域も約 1/6にも抑えられることがわかりました。さらに、複数 拠点、複数端末で実施した場合にはさらに高い効果を発揮するという結果を得られたため、NEXCO西日本 エンジニアリング四国は満を持してCitrix SD-WAN の導入へと踏み切りました。

同社は主要な5つの事業所にWAN最適化機能を提 供するWANOP Editionを導入し、バックアップ回線 のある本社とデータセンター間には、WAN最適化だ けではなく複数のWAN回線を束ねることができる SD-WAN機能も提供するPremium Editionを導入。
「ただ単にハードウェアを更新するだけでなく、WAN の冗長機能まで導入することができたというのは、と ても大きい」と三宅氏は説明します。

導入効果: パフォーマンス・コスト・省スペース に加えセキュリティ対策も可能に

Citrix SD-WANの導入は通信の最適化だけでは なく、障害発生時のオペレーションにも大きな変化 をもたらしました。

今までは本社とデータセンター間に、インターネッ トVPNによるバックアップ回線を持っていましたが、 通信機器としてはCold Standby機を置き、障害 発生時には手動で切り替えるというアナログなオ ペレーションをこれまではとっていました。しかし Citrix SD-WANの導入により、冗長化された WAN回線を常時Active-Activeの構成で使うこ とができるようになり、以下の2点が可能になりま した。

1.バックアップ回線の有効活用
2.障害発生時の自動切り換え
この2点のメリットについて、常務取締役 経営企 画本部長 土木事業本部長 印南 亮一氏は、次のよ うに語っています。「現在、通信は高速道路を利用されるお客様への サービスに直結しています。もし、現場での不慮の 事故、故障、災害が原因で通信が途絶えてしまった とすると、円滑な高速道路の維持業務を継続でき なくなり、高速道路を利用しているお客様に多大な ご迷惑をおかけしてしまいます。そうならないため にも、常に途切れのない通信の冗長は非常に重要 です」

今後のプラン: 強固なインフラを生かしたテレワーク環境の提供

Citrix SD-WANについて今のところは、まだ特定 のアプリケーションでのバランシングしか利用して いないため、三宅氏は「理想としては、バックアップ の通信や管理用の通信を、できる限りプライマリ回 線に影響を与えないようにしていきたい」と、今後 の更なるWAN回線の活用方法について述べてい ます。
また印南氏は、四国の労働環境とNEXCO西日本 エンジニアリング四国の通信インフラ、働き方改革 について次のように述べています。

「残念ながら四国の労働人口は、年々減少の一途 をたどってきております。比較的、地域志向の新卒 は採用しやすいのですが、中途採用での雇用確保 が今後の課題です。地域の人が働きやすい、働きた いと思う環境を提供するためにも、どこからでも、 どの場所からでも働けるテレワーク環境の整備を 検討していきたい。今回Citrix SD-WANで構築し た強靭なインフラはその環境整備に活用できると 考えています」と、今後のNEXCO西日本エンジニ アリング四国の通信インフラの在り方、将来の方向 性について力強く語りました。

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途切れない通信の冗長は非常に重要です。
印南 亮一 氏
常務取締役
西日本高速道路エンジニアリング四国株式会社

導入製品

導入前の課題

  • 障害発生時にバックアップ回線 への手動切り替えが必要
  • ファイルサーバーの一元化による 拠点からの通信速度
  • 保守、メーカーサポートの終了

導入後の効果

  • Active-Activeでの冗長化された WAN回線の活用
  • WAN最適化による最大10 倍の高 速化
  • 最新モデルでパフォーマンスの向上