中国オフショア開発環境のセキュリティ強化にXenDesktopを採用。XenAppの導入で太陽生命のイメージワークフロー業務システムの効率的な更改も実現

T&D情報システム(TDS)は、2001年10月に設立され、T&D保険グループの中核を成す、太陽生命、大同生命、T&Dフィナンシャル生命の3生命保険会社のIT戦略の立案・実行からシステム基盤の構築、そしてシステムの開発・運用まで、ITに関わるあらゆる業務を展開しています。「お客様本位のサービスを提供する」という経営理念に基づき、システム開発力の強化、システム運用の改善、人材育成の3つの取り組みを推進。常に先進的で高度な技術を探求し、社会のルールを守り健全な経営体質を築きながら、顧客満足度を向上させる努力と、継続的な成長を目指しています。こうした取り組みの一環としてTDSおよび太陽生命では、イメージワークフロー業務と中国オフショア開発のための基盤として、Citrix® XenApp™およびCitrix® XenDesktop®を採用することを決定。アプリケーションとデスクトップの仮想化により、業務の効率化とセキュリティの強化を実現しました。

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課題:業務の効率化と安全なオフショア開発の実現

太陽生命の「イメージワークフロー業務処理システム」は、2000年から使用しているシステム基盤の老朽化対策が必要でした。また、開発コスト削減を目的に中国でのオフショア開発を推進していますが、そのためのセキュリティ対策も課題となっていました。イメージワークフロー業務処理システムは、これまで紙ベースで行っていた保険加入申込みや給付金支払いなどの事務処理をシステム化したものです。保険加入申込書や給付金支払い請求書をスキャナで取り込み、イメージデータ化して、ワークフローシステムにより業務の効率化を実現しています。事業一部シニアプロフェッショナルの中澤 雅美氏は、次のように語ります。「イメージワークフローシステムを構築した時期的な背景もあり、クライアントOSにWindows 2000を使用していました。しかしWindows 2000のサポート期間が終了してしまったために、何らかの対策が必要でした」。そこで最新版のWindows環境への移行を検討しましたが、Windows環境を最新版に移行するためには、Visual Basic 6.0で開発されていたイメージワークフローシステムの機能を、.NETで再構築することが必要でした。また全国約150ヶ所の支社および事務拠点等にあるすべてのクライアント端末を、最新版のWindows環境に移行するためにかかるコストも大きな課題のひとつでした。中澤氏は、「クライアント端末は、古いものもありますが、新しいものもありました。そこで、なんとか既存のIT資産を有効活用しながら、最新のインフラに移行ができないかを考えていました」と話しています。

また、2006年より取り組みを開始した中国でのオフショア開発を本格的に推進するにあたり、開発資源を分散することなく、開発効率を向上させる仕組みの実現を検討していました。また、情報漏えいを防ぐためのセキュリティ対策も不可欠でした。イメージワークフローシステムの更改と中国オフショア開発のセキュリティ強化、この2つのシステムに関わる課題を解決するために採用したのが、XenAppおよびXenDesktopでした。

ソリューション:XenAppとXenDesktopの特長を生かしたシステム構築

XenAppを利用したイメージワークフローシステムの構築は、2009年3月ごろから検討が開始され、2009年9月から2010年3月にかけて、TDSのデータセンター内にXenAppを構築し、テストを実施。2010年7月より本番稼働しています。XenAppの採用を決めた理由を、テクニカルサポート部 IT基盤管理一課 マネージャーである池田 睦氏は次のように語ります。「他社製ターミナルサーバー方式よりもネットワークの負荷が小さく、アプリケーションの開発インターフェースの豊富さ、実績から、XenAppの採用を決めました」。一方、中国オフショア開発用のインフラ構築では、XenDesktopによるデスクトップ仮想化を採用し、ワイズテクノロジー社のシンクライアント端末からアクセスできる仕組みを検討しました。その後、2009年11月にXenDesktopの採用を決定、2010年4月までの約5カ月でシステムを構築し、約1カ月間のテストを実施して、2010年5月より本番稼働しています。

XenDesktopを採用した理由を、池田氏は次のように語ります。「XenDesktopの採用を決めたのは、Citrix ICA® プロトコルを搭載していたからです。中国と日本をつなぐ回線コストは高額なので、できるだけコストを削減できるソリューションが必要でした」。さらに池田氏は、「特にイメージワークフロー業務処理システムの開発を中国の会社にアウトソーシングしたときには、高解像度のイメージデータをやり取りするほか、トランザクションもかなりの量になるのでICAプロトコルには大きな期待を寄せていました」と話しています。

導入効果:ICAプロトコルの効果でネットワークコストを大幅に削減

イメージワークフロー業務処理システムにXenAppを導入したことで、クライアント端末の更改に依存しないソフトウェア環境を実現できました。アプリケーションをXenApp上で動作させることで、既存のWindows 2000環境はもちろん、最新OSが搭載されたWindows環境からでもアプリケーションを利用することが可能になります。また以前は、アプリケーションの機能拡張が行われた場合、差分データを夜間処理で各クライアント端末に配信し、利用者が出社してクライアント端末を立ち上げたときにアプリケーションを更新しなければなりませんでした。しかしネットワークエラーなどで差分データが届いていない場合や、差分データを正しく適用できていない場合に、業務がストップしてしまうという問題がありました。中澤氏は、「XenAppでは、サーバー上に差分データを適用するだけで新しい機能が利用可能になるので、夜間処理で差分データを配信する作業が不要になり、翌日の利用者トラブルもなくなりました。また利用者側の効果は、操作性は変わらない上に、パフォーマンスが向上したことです」と話します。さらに利用者の端末にデータが残らないので、セキュリティ面も強化されました。一方、中国オフショア開発におけるXenDesktop導入のメリットを池田氏は次のように語ります。「XenDesktopの導入で、USBメモリやプリンターなどの利用を制限できたほか、ソフトウェア配布も不要になりました。また、高解像度のイメージデータのやり取りに、ICAプロトコルは予想以上に効果があり、オフショア開発のネットワークコストをさらに削減できる見込みです」。

今後のプラン:デスクトップ仮想化をほかの業務、部門に幅広く展開

今後、デスクトップの仮想化やアプリケーションの仮想化を、ほかの生命保険業務や部門システムなどにも幅広く活用していくことを検討しています。中澤氏は、「イメージワークフロー業務処理システムについては、ワークフロー業務の拡充を計画しています。また、オフショアはまだ始まったばかりなので、今後の状況を見ながら拡張していきたいと思っています。その場合でもXenDesktopであれば、クライアント端末をネットワークにつなぐだけで容易に拡張できます」と話します。また池田氏は、「XenDesktopとXenAppを組み合わせたインフラを、セキュリティ強化の観点から、我々のIT基盤管理部門のインフラにも採用していきたいと思っています」と、今後のXenAppおよびXenDesktopに対する期待を話しています。

Citrix Solution
について

Citrix® XenDesktop® はすべてのアプリケーションおよびデスクトップを、オンデマンドでサービスとして提供する業界初のソリューションです。Citrix® XenAppTM はWindows アプリケーションデリバリーのデファクトスタンダードです。アプリケーションの仮想化とアプリケーションストリーミングの2 種類のデリバリーで、あらゆるユーザー、あらゆるデバイス、どのようなネットワーク環境からでも最適なアクセス体験を提供します。

XenDesktopの導入で、USBメモリやプリンターなどの利用を制限できたほか、ソフトウェア配布も不要になりました。 また、高解像度のイメージデータのやり取りに、ICAプロトコルは予想以上に効果があり、オフショア開発のネットワークコストをさらに削減できる見込みです
- 池田 睦 氏

テクニカルサポート部 IT基盤管理一課 マネージャー

T&D情報システム株式会社

課題

  • 古い端末、アプリケーションの有効活用
  • 業務の効率化
  • セキュリティ強化

ソリューション

  • XenAppによるワークフローシステムの集中管理
  • XenDesktopによるオフショア開発基盤の構築

ベネフィット

  • 既存のIT資産の有効活用
  • 効果的なアプリケーション配布
  • パフォーマンス向上
  • セキュリティ強化
  • ネットワークコスト削減
  • 導入アプリケーション
  • イメージワークフロー

ネットワーク環境

  • Citrix XenApp 5.0 for Windows Server 2003
    (同時接続ライセンス数:850)
  • Citrix XenDesktop 4 VDI Edition
    (デバイスライセンス数:30)