NetScalerの導入でモバイル用とPC用の広告配信システムを統合。月間159億PVを超えるmixi利用者向け広告配信で余裕の運用を実現

1997年にIT系求人情報サイト「Find Job !」の運営を開始し、1999年にイー・マーキュリーという会社名で設立された株式会社ミクシィ。2004年2月より招待制のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)である「mixi」の提供を開始し、2006年に社名を現在のミクシィに変更、SNS分野の先駆け的な企業として、いまなお成長を続けています。人と人とのつながりをベースとしたSNSとして急成長したmixiは、2009年9月30日現在、ユーザー数1,792万人、月間のアクセス数が159億PVを超える国内最大級のSNSへと進化を遂げています。そのミクシィでは、SNSサービスと同等に重要なシステムのひとつである広告配信システムの効果的な運用にCitrix® NetScaler®を採用しています。

課題:急激なアクセスの増加でシステム全体のパフォーマンスが悪化

mixiの広告配信システムは、性別や年齢、興味をもっている分野などでターゲティングされ、利用者の嗜好に合った広告を配信するための仕組みで、ASPサービスを利用して構築しています。この広告配信システムを効果的に運用するためのロードバランサーとして、ミクシィが2006年12月に導入したのがCitrix NetScaler 12000でした。NetScaler 12000が採用された背景をmixi事業本部 基幹システム部 システム運用グループ インフラチームの佐藤隆行氏は、次のように語ります。「当時、いくつかの製品を比較検討した結果、TCPセッションの集約性の高さやDDoS攻撃への対応が一番優れていたこと、コストパフォーマンスが高かったことなどを評価して、NetScaler 12000の導入を決めました」。

ミクシィではNetScaler 12000を導入したことで、期待どおりのパフォーマンスを得ることができ、効果的な広告配信を実現できました。しかし当時はmixiの利用者が急激に増加している時期でもあり、とくにPCからの予想を超える急激なアクセス数の増加などにより、徐々にシステム全体のパフォーマンスが低下していきました。佐藤氏は、「ある一定量のアクセス数を超えるとパフォーマンスが悪化し、広告の表示やサービスに不具合が発生していました。特に広告を配信するためのシステムなので、サービスが停止してしまうとビジネスにかなり大きな影響を与えてしまうため、早期に解決しなければならない問題でした」と話します。この問題はシステム全体としてスループットが低下しているために発生したもので、抜本的な改善が必要でした。ただ、NetScaler 12000にかかる負荷を低減させると原因不明の障害も発生しなかったことから、まだパフォーマンス的には問題はなかったものの、NetScalerのバージョンアップを含めたシステムの再構築を実施することを決定します。また当初からトラフィック増加に対応するために、モバイル用とPC用で広告配信システムを2つに分けており、かつ別々のデータセンターで運用していたために、NetScaler 12000も2台ずつ、計4台を導入していました。佐藤氏は、「2つのデータセンターに分かれていた広告配信システムをひとつに統合したいという思いもありました」と話しています。

ソリューション:Citrix NetScaler MPX15000を導入し2つのシステムを統合

ミクシィでは、広告配信システムの再構築にあたり、2009年3月にNetScaler MPX 15000を2台導入しています。これにより、2つのデータセンターに分かれていたモバイル用とPC用の広告配信システムをひとつのデータセンターに統合し、4台導入されていたNetScalerも2台に集約しています。NetScaler MPX 15000を採用した理由を、佐藤氏は次のように語ります。「2008年ごろからロードバランサーのバージョンアップの検討を開始しましたが、当初はNetScalerではなくほかの製品を導入しようと考えていました。そこで他社製品も含め、さまざまな検討を行いましたが、最終的にはNetScaler MPX 15000のスペックが非常に優れていたことを評価して採用を決めました」。また、NetScaler MPX 15000の導入にあたり、実際に米国のNetScalerの工場への視察も行っています。佐藤氏は、「NetScaler MPX 15000が発売される前だったので、きちんとした検証もできておらず、パフォーマンスもよく分からない状況でスペックだけで導入を決定するというリスクはありました。しかし製品のデモや開発工程、品質管理などを実際に目にすることができ、また開発者と話しができたことは採用の大きな決め手になりました」と話しています。

導入効果:高いパフォーマンスと操作性、信頼性を高く評価

NetScaler MPX 15000 は最新のマルチコアプロセッサを搭載していますが、導入した当初はOS がマルチコアプロセッサに対応していませんでした。それでもNetScaler 12000 の1.3 倍程度のパフォーマンスを得ることができましたが、さらに2009 年8 月にマルチコアプロセッサ対応のnCore 技術を搭載したOS に入れ替えてからは、期待以上のパフォーマンスを得ることができています。佐藤氏は、「NetScaler 12000利用時のCPU 利用率は、常時で60%程度でしたが、NetScaler MPX 15000 のマルチコアプロセッサ対応OS に移行してからは、ピーク時でも12% 程度と余裕の運用が可能になりました。今後、ボトルネックになるとすれば、ロードバランサーではなく、その下のサーバー群になるでしょう。運用に関しても、NetScaler12000 と操作性はまったく変わらないので、導入してすぐに利用できました」と話します。

また、mixi 事業本部 基幹システム部 システム運用グループ インフラチーム 吉野純平氏は、NetScaler MPX 15000の導入効果を次のように語ります。「統計情報が保存できるのは非常に便利です。統計情報から利用レポートを作成することで、システムの状況をひと目で把握することができます」。吉野氏はまた、「一番いいのは、とにかく壊れないことです。物理的な障害がかなりの頻度で発生してしまうとサービスの提供に悪影響を及ぼしてしまうので、ハードウェアの信頼性は重要でした。NetScaler MPX 15000 導入後は、初期トラブルを除けば、ハードウェア障害は一度も発生していません」と話します。

佐藤氏もまた、「NetScaler MPX 15000 は、OS のバグがほとんどないことを高く評価しています。他社製品を使っていたときにはOS のバグがかなり頻繁に発生していたため、その対応に時間を取られていました。NetScaler でOS のバグによる障害が発生したことは、いままでに一度もありません」と話しています。

今後のプラン:ソフトウェア仮想アプライアンスCitrix NetScaler VPX に期待

mixi では、mixi アプリなどの新しいサービスの提供により、現在もアクセス数は増え続けています。しかし、NetScaler MPX 15000に関しては、まだ導入したばかりで十分なキャパシティがあるために、今後すぐに手を加える予定はありません。ただ、「NetScaler の下で管理されているサーバー群をどのように強化して いくかは課題のひとつです」と佐藤氏は話します。

佐藤氏は、「特にソフトウェアベースの仮想アプライアンスであるCitrix NetScaler VPX に興味をもっています。現状では、オープンソースソフトウェアを利用してデータベースなどのちょっとした冗長化を実現していますが、これをNetScaler VPXで実現できないかと考えています。NetScaler VPX が利用できれば、システム構成も運用もより楽になります」と話しています。

Citrix Solutionについて

Citrix NetScaler® は、Web アプリケーションを最適化するためのアクセラレーション機能と高度なセキュリティ機能を備えた次世代アプリケーションデリバリーシステムです。

Citrix NetScaler MPX 15000 のマルチコアプロセッサ対応OS に移行してからは、CPU利用率がピーク時でも12% 程度と、余裕の運用が可能になりました
- 佐藤 隆行 氏

株式会社ミクシィ mixi事業本部 基幹システム部 システム運用グループ インフラチーム

株式会社ミクシィ

ベネフィット

  • 高いパフォーマンスによる余裕の運用
  • 統計情報によるシステム状況の把握
  • 堅牢性と高品質なOSによる高い信頼性

導入アプリケーション

  • 広告配信システム(ASP利用)

ネットワーク環境