部門ごとに分散したクライアント環境を XenDesktop で仮想化。 勘定系・情報系・OA 系のすべての業務を 1 台の端末で可能にし、 一層のサービス向上とコスト削減を目指す

課題:老朽化、サイロ化した端末環境の再構築

北洋銀行では、行内イントラネットなどの OA 系システムで利用している PC が、導入から 6 年以上を経過し て老朽化していることから入れ替えが必要となっていました。また同時に、勘定系システム用の営業店端末も 更改時期がきていました。さらに既存のシステムは、部門や業務単位で導入されてきたためにサイロ化して おり、勘定系には勘定系端末、情報系には情報系専用端末、OA 系には OA 系端末と、3 種類の端末を業務 ごとに使い分けなければなりませんでした。システム部 システム企画課 主任調査役である佐々木 勉氏は、 次のように語ります。「1 人が複数台の PC を使って業務をしなければならないために非効率的でした。また 端末の多くは Windows 端末だったため、1 人 1 台に集約できるのではないかと考えていました」。また佐々木 氏は、「端末環境の抜本的な見直しが必要でしたが、リーマンショック後だったこともあり、銀行内でも コスト意識が非常に高まった時期でした。そのため、最小のコストで最大の効果を期待できる仕組みを検討 することが必要でした」と話します。

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ソリューション:XenDesktop によるデスクトップ仮想化を採用。業務に応じて

サーバーデスクトップ共有型と仮想 PC 型を活用

検討の結果、仮想デスクトップの実現方式として、まず XenDesktop の 1 機能である Citrix XenAppTMを 利 用 し た 、 サ ー バ ー デ ス ク ト ップ 共 有 型 の シ ス テ ム を 採 用 す る こ と を 決 定 し ま す 。 佐 々 木 氏 は 、 次 の よ う に 語 ります。「アプリケーションをサーバー側で一元管理し、標準化されたサーバーデスクトップを端末側に配信 する仕組みを構築することにしました。これにより Windows OS に依存することなく、Microsoft Internet Explorer(IE)6 環境と IE 8 環境、最新バージョンの Microsoft Office(Office)環境と旧バージョンの Office 環境などを混在させて使用することが可能になります」。

システム部 システム開発課 調査役の門脇 秀樹氏は、「北洋銀行の業務システムのほとんどは、ブラウザ環境 として IE 6 を利用する Web アプリケーションで構築されています。そのため PC 環境を Windows XP から Windows 7 に移行すると、ブラウザ環境も IE 8 に移行されてしまい、業務アプリケーションの更改が 必要になってしまいます。また Office 環境も同様に、複数バージョンの管理が必要でした。現在稼働中の システムを IE 8 環境へ一斉移行することなく、IE 6 と IE 8 の環境を混在させながら順次移行できる点も XenDesktop を採用した理由です」と話しています。

また部門によっては、本部等の特定ユーザー向けクライアント/サーバー(C/S)型のアプリケーションも利用されており、これらには, XenDesktop をベースとした仮想 PC 型の採用を決定しました。佐々木氏は、 「仮想 PC 環境では、Windows 7 で C/S 型のアプリケーションを利用できる仕組みになっています。この とき各利用者の端末には、利用者の権限に合わせた Windows 7 のデスクトップイメージが配信されます」と 話します。XenDesktop および XenApp を使用した新しい仮想デスクトップ環境は、2011 年 4 月よりシステム構築が開始され、2012 年 9 月より、全店展開を開始する予定です。

導入効果:クライアント端末への投資を削減しながら業務効率の大幅な向上を実現

XenDesktop によるデスクトップ仮想化を導入した効果をシステム部 担当部長である櫻井 誠氏は、次のよう に語ります。「営業店によっては、職員の数以上に端末が設置されているところもあり、業務ごとに使い分けて いました。これを XenDesktop により、1 台の端末に統合することで、今後の IT 投資を大幅に削減すること が 期 待 で き ま す 」。 ま た 以 前 は 、 営 業 店 の カ ウ ン タ ー で 顧 客 対 応 を し て い る 職 員 が 、 関 連 業 務 を 行 う 際 に 、 別 の PC 端末を利用するため移動しなければなりませんでした。しかし 1 台の端末ですべての業務を行えるよう になることで、カウンターに設置されている端末のみを利用して、顧客と接しながら関連業務を行うことがで きます。これにより、より一層の顧客サービス向上と業務の効率化を期待できます。櫻井氏は、「これからの銀 行は、お客様との対話やコンサルティングにも注力していかなければなりません。そこで、従来のようにシステ ム側からではなく、お客様側から見た場合の端末環境はどうあるべきかを考えました。この逆転の発想で生ま れたのが、XenDesktop および XenApp を活用した仮想デスクトップ環境の実現でした」と話します。またシ ステム面での効果を佐々木氏は、次のように語ります。「プロビジョニングサービスを利用することで、バージョ ンアップやセキュリティパッチなどの作業を一気に行うことができ、作業の効率化と運用コストの削減を実現で き ま し た 。 端 末 の 台 数 が 多 い の で 、 プ ロ ビ ジ ョ ニ ン グ サ ー ビ ス の 利 用 は 大 前 提 で し た 」。 佐 々 木 氏 は 、「 従 来 、 Windows のサービスパックを導入する場合、各営業店の担当者が 2 時間以上を費やして作業していました。 この作業をすべての営業店の端末で行うと、1 回あたり数千万円のコストがかかると試算されていました。現 在は、前の夜に設定しておけば、自動的に更新モジュールが配布され、翌日の朝、営業店の担当者が端末を立 ち上げると最新の状態で利用できるようになっています。運用管理コストだけで年間数千万円のコスト削減を 見込めるのです」と話します。さらに佐々木氏は、「以前はセキュリティ対策として、利用者の操作ログを収集 するために、パッケージソフトをカスタマイズしなければなりませんでした。しかし、すべてをカスタマイズす ることは現実的ではありません。そこで注目したのが、XenApp の 1機能である SmartAuditorでした。 SmartAuditor は、XenApp 上のアプリケーションの操作を録画、再生できるので、利用者の操作記録を取得 できるとともに、録画をログイン時に利用者に知らせることで、利用者への注意を促すことができます。また サブシステム構築時、操作ログを収集するためのカスタマイズも不要になり、開発コストを大幅に低減できます」 と話しています。門脇氏は、「2009 年より Microsoft ® Windows Server ® 2008 R2 Hyper-V TM を使用した サーバー仮想化を実現しており実績もあることから、サーバー集約のため、XenDesktop も Hyper-V 2.0 上で 構築することとしました」と話します。佐々木氏はまた、「サーバーおよびデスクトップの仮想化により、PC 台 数を約 2 割削減することを目標としており、シンクライアント端末環境では従来型デスクトップ PC の約 4 割 程度の電力量の削減を目標としています。さらにサーバー環境を Hyper-V で仮想化したことで、物理サーバー で構成するのに比べ、電力消費量を 7 割も削減できると試算しています」と話しています。 

今後のプラン:ダイバーシティや在宅勤務の実現にも期待

北洋銀行では、2012 年 9 月から全店展開を開始し、行内イントラネット用にはシンクライアント端末を、営業店 端末に関しては Windows ベースのクライアント端末を導入する計画です。櫻井氏は、「最終的には、シンクラ イアント端末の環境を約 3,500 台、主に勘定系システムを利用するための Windows 端末が約 1,500 台の構成 を想定しています。これにより、1 人 1 台の端末で、すべての業務を行える環境を実現できます」と話しています。 またシステム部 システム企画課 課長の平林 誠司氏は、「今後、行内での議論が必要ですが、XenDesktop の 導入は、渉外端末としての利用、サテライトオフィスや在宅勤務などの実現にも期待できます。働き方の選択肢 が増えることは、行員にとっても大きなメリットがあります。システムの多様性と同時に働き方の多様性も実現 できる新しい端末環境をフルに活用していきたいと考えています」と今後の期待を語っています。 

営業店によっては、職員の数以上に端末が 設 置 さ れ て い る と こ ろ も あ り 、業 務 ご と に 使 い 分 け て い ま し た 。こ れ を X e n D e s k t o p に より、1台の端末に統合することで、IT投資を 大幅に削減することが期待できます
- 櫻井 誠 氏

システム部 担当部長

課題

  • 行内 OA 系端末と営業店端末の更改時期
  • 部門ごとに分散した端末環境

ソリューション

  • XenDesktopとXenAppを適材適所で 活用した仮想デスクトップ環境の実現

ベネフィット

  • 端末の統合による IT 投資の削減
  • 業務効率化と顧客サービス向上
  •  運用管理の効率化とコスト削減
  • セキュリティ向上と開発コスト削減
  •  省エネ、省電力の実現

導入アプリケーション

  • Microsoft Office
  • Microsoft Internet Explorer
  • 行内イントラネット

ネットワーク環境

  • Citrix XenDesktop 5 Platinum Edition(ライセンス数:5,240) 
    • プロビジョニングサービス
    • SmartAuditor (XenApp 環境で利用)
  • Microsoft Windows Server 2008 R2 Hyper-V