タブレット端末を活用したモバイルワークの基盤にXenDesktopを採用 お客様目線のサービス提供により 売上も拡大

1943年12月に、加能合同銀行、加州銀行、能和銀行の3行が合併して誕生した北國銀行。「豊かな明日へ、信頼の架け橋を ~ふれあいの輪を拡げ、地域と共に豊かな未来を築きます~」との企業理念に基づき、北陸3県を中心に展開する全112店舗により、真の「リレーションシップバンキング(地域密着型金融)」の実現を目指しています。2012年4月より3年間、新たな中期経営計画である「QCS'S(Qシーズ)」を策定。Q(クオリティ)、C(コスト)、S(スピード)、S(スマイル)をキーワードに、「リレーションシップバンキングの強化」「クオリティアップ・スピードアップ」「コスト削減」「リスク管理・コンプライアンスの徹底」の4つの基本戦略に取り組んでいます。また経営戦略の一部としてITの活用が位置づけられており、経営から事務まで、一気通貫のIT戦略を推進。その一環として、タブレット端末を利用した渉外支援システムの基盤にCitrix® XenDesktop®のアプリケーション配信機能を採用。"モバイルワークスタイル"を実践しています。

課題:IT活用によるお客様目線のサービスのさらなる向上

北國銀行では、地域に密着した「お客さま訪問活動」を積極的に推進しており、一件でも多くの顧客を訪問し、同じ目線で顧客が直面する状況や問題に向き合い、顧客の期待に応える活動を、地道に積み重ねています。しかしこの活動において、より一層の顧客の利便性向上が求められていました。常務取締役 杖村 修司氏は、次のように語ります。「お客様目線のサービスを考える中で、特に渉外活動を改善したいと考えていました。たとえば、投資信託の申込み時に、お客様に何度も住所や名前を記入いただくのは不親切です。また営業が店舗に戻ってデータ入力する場合に入力ミスがあると、その後の業務に大きく影響します。経営トップからも"こうした状況をITの活用で改善してほしい"という要望が出ていました」。また、営業統括部 チャネル統括課長の西村 直喜氏は、「紙のお客様情報を持ち出す場合に情報漏えいなどのリスクがありました。そのためお客様情報を持ち出す際には、上司の承認が必要でした。そこでセキュリティリスクを軽減しながら、営業活動を効率化する仕組みの実現が必要でした」と話しています。

ソリューション:XenDesktopのアプリケーション配信機能により、タブレット端末を利用したモバイルワークを実現

北國銀行は、2010年10月より渉外支援システム構築の検討を開始。タブレット端末から投資信託支援システムなどにアクセスできる仕組みの基盤として、XenDesktopのアプリケーション配信機能を採用することを決定します。その後、2011年5月よりXenDesktopの導入を開始し、約3カ月のパイロットプログラムにより技術検証を行います。システム部 システム企画課 課長代理の岩間 正樹氏は、「XenDesktopによるパイロットプログラムを実施したところ、当初は期待したパフォーマンスを得ることができませんでした。しかしシトリックスのサポートのお陰で、最終的には120点以上のパフォーマンスを実現することができました」と当時を振り返ります。さらに2011年9月より本番環境の構築を開始し、2012年1月より一部店舗で運用を開始。6月には全店舗で本番稼働を開始しました。西村氏は、「タブレット端末により、投資信託の運用状況や残高状況、投資信託会社からの最新情報、チャートなどもタイムリーに参照できるので、お客様に最適な取引をご提案できるようになりました」と話します。今回、構築された渉外支援システムは、ハイパーバイザー上にWindows Server 2008を搭載し、XenApp®サーバーで動作するアプリケーションをタブレット端末に配信しています。またCitrix Access Gateway TMを採用することで、SSLによる通信の暗号化も実現しています。

タブレット端末にはAndroid 用のCitrix Receiver TM が搭載され、通信キャリアのデータセンターを経由して、投資信託支援システム、CRM、グループウェア、人事システムの4 種類の行内システムと、インターネット閲覧、ウェブメールなどのアプリケーションにアクセスできる仕組みになっています。XenDesktop が採用された理由を岩間氏は、「Android 対応のCitrix Receiver が提供されていたことがXenDesktop を採用した大きな理由でした。また低帯域幅でも高い性能を発揮するICA® プロトコルも高く評価して採用を決めました」と話しています。

導入効果:タブレット端末によるモバイルワークと業務の自動化で、1か月に635 時間の作業効率化を実現

XenDesktop を導入した効果を杖村氏は、次のように語ります。「使ってみて驚いたのは、たとえば投資信託の申込みを行う場合、自席のデスクトップ端末よりタブレット端末の方がレスポンスが良いということです。
低帯域の回線でも十分なレスポンスが得られる技術は非常に優れていると感じました。またタブレット端末上にデータが残らないこともセキュリティの観点から非常に満足しています」。これまで投資信託の申込みでは、非常に多くの書類に必要事項を記入しなければなりませんでした。XenDesktop を導入したことで、必要事項をタブレット端末から安全に入力でき、紙の書類も大幅に削減されました。西村氏は、「従来、投資信託の申込みには、9 種類の書類が必要でしたが、タブレット端末を導入したことで、書類を3 種類に減らすことができました。これにより事後の作業負荷も大幅に軽減されました」と話します。従来、投資信託の申込みの事後処理は、顧客が記入した書類を営業店から本部にFAX し、本部の担当者がシステムに入力、入力されたデータに基づいて投資信託会社に発注していました。そしてその結果をFAX で営業店に返し、営業店ではそのFAX 内容に基づいて信託口座を開設するという仕組みのため、口座開設までに時間がかかっていました。
杖村氏は、「XenDesktop 導入後は、タブレット端末に入力されたデータをそのまま投資信託会社に送信できるようになり、一連の作業を完全に自動化できました。これにより、1 カ月で635 時間の作業効率化が見込まれています。営業担当者の心理として、事後処理が多いとその後のお客様訪問にブレーキがかかってしまうこともありますが、タブレット端末によるモバイルワークを実現したことで、一層営業活動に時間を費やせるようになり、投資信託の販売も2.5 倍に拡大できました。また、2010 年7 月より、時間外労働削減、ワークライフバランスの充実を目指し『生産性2 倍運動』を展開していますが、この取組みにも大きく寄与しています」と話しています。

今後のプラン:本格的なワークスタイルの変革を目指す

北國銀行では現在、約1,100 人の行員がタブレット端末を利用していますが、一方で自席に設置されたデスクトップ端末も利用しています。杖村氏は、「今後は、タブレット端末とデスクトップ端末の構成をまったく同じにして、キーボードと大型のディスプレイをつなぐことができるタブレット端末を採用し、どちらかを選択できる環境を構築する計画です」と話します。また杖村氏は、「今回、セキュアなタブレット端末を持って営業活動を展開する"移動店舗"を実現できました。これにより高齢のお客様も来店することなく、こちらからお客様宅へ訪問して営業店と同じサービスを提供することが可能になります。こうした取り組みは今後の金融業界全体に大きなインパクトを与えると思っています」とも話します。さらに北國銀行では、2014 年に管理職が個人所有のタブレット端末を使用できるBYOD(Bring Your Own Device)の実現も検討しています。
杖村氏は、「セキュリティの強化だけでなく、オフィスレイアウトの変更なども実施し、ワークスタイルを変革することで、ますますお客様に近いところで営業活動をしていくことを目指しています。今後もシトリックスのサポートに大きな期待を寄せています」と話しています。

営業担当者の心理として、事後処理が多いとその後のお客様訪問にブレーキがかかってしまうこともありますが、タブレット端末によるモバイルワークを実現したことで、一層営業活動に時間を費やせるようになり、投資信託の販売を2.5倍に拡大できました。また、2010年7月より、時間外労働削減、ワークライフバランスの充実を目指し『生産性2倍運動』を展開していますが、この取組みにも大きく寄与しています
- 杖村 修司 氏

常務取締役

株式会社北國銀行

課題

  • より一層の顧客サービス向上
  • セキュリティリスクの軽減
  • 営業活動のさらなる効率化

ソリューション

  • XenDesktopを採用したタブレット端末によるモバイルワークスタイルの実践

ベネフィット

  • 顧客の利便性向上
  • 自動化による月間635時間の作業効率化
  • 電子化・自動化によるペーパレスの実現
  • 営業活動時間が増え、投資信託の販売が2.5倍に拡大

導入アプリケーション

  • CRM
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  • インターネット閲覧
  • ウェブメール