Citrix XenAppとCitrix Provisioning Serverを組み合わせ、デスクトップおよびさまざまなアプリケーションが稼働する数多くのサーバー保守工数を大幅に削減

静岡県の東部、富士山の南に位置する富士市は、富士山の豊富な伏流水を利用し古くから製紙など工業の盛んな地域です。人口は244,258人(平成 20年1月1日現在)、市民生活をサポートする富士市役所には、臨時職員を含む職員、さらには市議会議員など合わせて約3,000人が業務に従事していま す。そして、市役所本庁舎に加え、小中学校やまちづくりセンター、福祉センター、病院など約130カ所もの拠点を擁しています。

富士市役所では、ITシステムの導入には積極的に取り組んできました。平成13年には早々に1人1台のPC導入を決め、保守作業の手間軽減のためにCitrix XenAppを導入しました。

「市全体でITシステム管理者が当時で3名、現在も4名しかいません。1,000台を超えるPCを、これだけの人数で管理するのは極めて困難です。 予想される膨大な保守工数を削減するために、XenAppを導入しました」。富士市役所 総務部 情報政策課 システム開発担当 主査の深澤 安伸氏は、XenAppがなければ、1人1台のPC導入は実現できなかったと言います。まず480ライセンスを導入し、PCのシンクライアント化に着手 し、最終的には1,460同時接続ライセンスまで拡張。6年間に渡りこの環境を活用してきました。

課題:更なる保守効率化の追求

XenApp の環境は安定していましたが、市のITシステムは基本的にリース契約、平成19年にはリース期間満了を向かえ、18年度には今後のシステム環境の検討が始まります。

深澤氏は次のように語ります。「6年近く利用して、やりたいことはほぼ実現できました。管理の手間は明らかに削減できたため、このままXenApp を利用 することに迷いはありませんでした」。XenAppの継続利用に迷いはありませんでしたが、いくつかの課題もありました。その1つは、長期間 Windows 環境を利用すると、ユーザープロファイルが肥大化しログオンなどに時間がかかることです。これは、公開するアプリケーションを稼働させてい たサーバーも同様で、長年の利用で動作が不安定となるものも出てきました。そして、その公開アプリケーション用のサーバーが78台もあり、多数のサーバー の保守作業負荷の軽減も大きな課題の1つでした。

また、深澤氏はちょうど新たなIT 環境を検討していた2006年の秋頃、専門家が記したCitrix Provisioning Server(旧Ardence)に関する文献をみつけました。「XenAppとProvisioning Serverを組み合わせて、システム全体の管理コストや手間を削減できるのではと考えました」。

ソリューション:Citrix Provisioning Serverの導入によりさらなる保守工数を削減

ユーザーデスクトップ環境のログオン時間の短縮と、公開デスクトップおよび公開アプリケーション用サーバーの安定稼働、そしてさらなる保守工数の削 減を目的に、新たに採用されたのがCitrix Provisioning Server for Datacentersです。

Provisioning Serverは、ネットワークに接続されたサーバーのOSとアプリケーションの組み合わせをブートイメージとして集約管理し、それを各サーバーに配信して 利用します。この仕組みを利用して、XenAppに対するブートイメージを配信することで保守工数の削減を実現します。当初2つの製品を組み合わせて利用 可能という情報は得られましたが、実際に利用している事例情報がなかったため、2006年11月には製品評価用に新たにブレードサーバーを導入し、3カ月 間程度の時間をかけ2製品の組合せ評価を行いました。その後、2006年12月には買収によりProvisioning Serverがシトリックスの製品群に加わり、両者の組合せに対する不安もなくなります。新たな環境は、2008年1月から稼働を開始しました。 Provisioning Serverの新規導入とともに、サーバーやネットワーク回線の増強も同時に行い、システムの利用環境は大きく改善します。

4台のProvisioning Serverは、12テラバイトのSANストレージに接続され、それぞれが負荷分散して稼動します。毎朝始業時に公開アプリケーション用19台、公開デス クトップ用64台のXenAppに対してブートイメージの一斉配信を行い、快適に稼動しています。

ベネフィット:サーバー環境の性能を維持し管理性も格段に向上

深澤氏は今回のシステム導入の特徴について次のように語ります。「デスクトップ環境は、ユーザーによる独自ソフトウェアのインストールなどにより、 やがてWindows OSの動作が不安定になります。Provisioning Serverならば、毎朝OSイメージがリフレッシュされ、初期インストール時のレスポンスのいい状態を維持できます」。

ユーザーへのレスポンスだけでなく、日常的な管理性も格段に向上しました。たとえば、OSにセキュリティパッチを当てる際には、従来であれば複数の XenAppへ適用する必要がありましたが、Provisioning Serverで現状管理しているのは、公開アプリケーション用のブートイメージが1セット、公開デスクトップ用ブートイメージが1セットの2セットだけで す。これが各XenAppに配信され、すべてのサーバーがそれぞれ同じブートイメージを使うことになるため、この2セットのブートイメージのメンテナンス を実施するだけで、すべてのサーバー環境を常に安全かつ安定的に運用できるのです。

また、XenAppも従来のバージョンからアップグレード行いました。従来と比較してマルチメディアアプリケーションのパフォーマンスの向上や分離環境の使用により、ほとんどのアプリケーションをXenAppで動作することが確認できました。

XenAppの環境は、公開デスクトップと公開アプリケーションのサーバー環境を明確に分離。公開デスクトップからネストして公開アプリケーションへアク セスする環境を構築しています。これにより、公開アプリケーション用サーバーの独立性が保たれ、安定度はさらに増しています。

新たな環境の導入で、実際の利用者からもログオン時のレスポンスが早くなり快適、以前に比べあきらかに体感速度が速くなったという声があるとのことです。

今後のプラン:将来的にはAccess GatewayによるリモートアクセスやXenServerによる仮想化の活用も視野に

深澤氏は今後のプランについて次のように語ります。「将来的にも2つの製品を組み合わせることで、さらに有効な利用ができそうだと考えました。運用 中のサーバーOSのメンテナンス作業を別途実施しておき、次の配信時にはメンテナンス済みのブートイメージを配信することも可能です。また、これはまだ利 用していませんが、昼間は業務用公開アプリケーション用サーバーのブートイメージを、夜間は一部をバックアップサーバー用のブートイメージに切り替えて配 信するといった、用途に応じたブートイメージ配信でサーバーリソースの有効活用も可能です」。

将来的に利便性、管理性の高まる余地があるというのは、長く使いたい製品を採用する際の安心材料となります。富士市では、2008年11月1日には隣接す る富士川町との合併も予定されています。富士川町で現在利用している汎用機アプリケーションについても、シトリックス製品を利用したシンクライアントから 利用する予定とのことです。さらに深澤氏には、XenServerの仮想化環境の活用も視野に入っています。XenAppとサーバー仮想化技術を組み合わ せ、稼働中のマシンをそのままマイグレーションするなど、運用停止時間の短縮に利用できるのではと検討されています。

また、Access Gateway機能を利用し、自宅や出張先でも安全なアプリケーション利用環境の提供や、ICカードなどを活用した入退室管理とPC利用環境を連携させるなど、新たなITシステムの構想がさらに拡がっています。

Citrix XenAppとCitrix Provisioning Serverを組み合わせることにより、サーバーの管理負荷が大幅に軽減されます。管理するサーバーの台数が増えれば増えるほど、その効果が発揮されるため、末永く安心して利用できます
- 深澤 安伸氏

総務部 情報政策課 システム開発担当 主査

富士市役所

ベネフィット

  • 保守工数の大幅な削減
  • サーバー環境が常にリフレッシュされることによる安定稼働を実現
  • 情報漏洩に対しても堅牢なセキュアな環境を実現

導入アプリケーション

  • Microsoft Office 2007
  • Internet Explorer 6.0
  • DocuWorks 6.2
  • Photoshop Elements
  • Jw_cad
  • 市役所業務支援アプリケーション

ネットワーク環境

  • Citrix Presentation Server 4.5(同時接続ライセンス数:1700)
  • Citrix Provisioning Server for Datacenters

※製品名称が変更になりました。
Citrix XenApp(旧名称Citrix Presentation Server)