グループ全体の標準基盤「alphaD(アルファード)」をAWS上に構築 バラバラだったアプリケーション仮想化環境を集約

世界トップレベルの技術を強みに、「ガラス」「電子」「化学品」「セラミックス」などの事業領域で新たな価値創造に挑戦するAGC株式会社。インフラ基盤のAmazon Web Services(AWS)上への移行を進めている同社では、これまでオンプレミスで運用していたCitrix Virtual Apps(旧称:Citrix XenApp)のアプリケーション仮想化環境をAWS上に移行。システムごとにバラバラに運用されていた環境を集約することで運用負荷を軽減、セキュリティや可用性も強化しています。またAWS化によって、インフラリソースのより柔軟な調達が可能になりました。

AGC株式会社 導入事例 PDF

課題: アプリケーション仮想化環境がシステムごとに稼働し運用面で大きな負担に

2018年7月に社名を旭硝子からAGCへと変更し、グローバル一体経営に取り組むAGCグループ。同グループでは“Look Beyond”をビジョンに掲げ、幅広い素材・生産技術に基づく独自の素材・ソリューションを提供しています。2016年には「2025年のありたい姿」とその実現に向けた長期経営戦略を策定し、長期安定的な収益基盤となる「コア事業」と、モビリティ、エレクトロニクス、ライフサイエンスをターゲットとした高い成長を目指す「戦略事業」を推進。現在、日本・アジア、欧州、米州の3極体制をベースに、30を超える国と地域でビジネスを展開しており、グループ企業は210社に及びます。

AGCでは、2014年よりクラウドファーストを基本方針に掲げており、2015年にはホストコンピューターで稼働していた基幹システムをSAP ERPに刷新し、AWS上で稼働させました。他の業務系システムも、ハードウェアの更新の時期などに合わせて順次AWSへの移行を進めています。

そしてシトリックスもこの流れの中にありました。同社がセキュリティの強化やネットワーク負荷の軽減、アプリケーション管理の強化の3つを目的にシトリックス製品を導入したのは10年以上前のこと。基幹業務3システムと、OA(仮想デスクトップ)1システムの4つのシステムでそれぞれCitrix Virtual Appsのサーバーを立ててアプリケーション仮想化環境を用意していたのですが、管理が煩雑化してしまっており、運用面で大きな負担となっていました。当時について情報システム部 電子・基盤技術グループ マネージャーの菅沼実氏は「従来はシステムごとに面倒を見ているベンダーが別で、Citrix Virtual Appsのバージョンも設計もバラバラ。サービスの品質にも差がありました。また、設定の変更があると4つのシステムすべてに対して作業を実施する必要があり、ナレッジの共有もできませんでした」と振り返ります。

そこで同社は、サーバーの更新を機にCitrix Virtual Apps をAWSへと移行し、環境の統合を図ることにしました。そのねらいについて情報システム部 電子・基盤技術グループリーダーの大橋数也氏は「4つのシステムが稼働するアプリケーション仮想化環境をAWS上に統合し、AGCグループの標準基盤『alphaD』を構築することにしました。これにより、運用負荷の軽減とセキュリティの強化を実現しようと考えたのです」と語ります。

ソリューション: 既存の機能やセキュリティポリシーを活用でき費用対効果に優れたCitrix Virtual Appsを継続利用

AGCでは2015年からプロジェクトを開始。一応は他のソリューションへの乗り換えも検討したそうですが、最終的には引き続きシトリックスを利用することに決めました。その理由について情報システム部 電子・基盤技術グループ マネージャーの樫村崇氏は「AWSへ移行しつつも弊社セキュリティポリシーを満たし、既存のCitrix Virtual Appsの機能を引き継げることに大きなメリットを感じました。また、競合の製品は実績が少なく、費用対効果の面でもシトリックスの方が優れていると判断しました」と話します。

こうしてCitrix Virtual Appsの継続利用を決めた同社ですが、当時はAWSにおけるシトリックス製品の稼働実績が国内ではほとんどなかったといいます。
「そこでAWS上に検証環境を立ち上げ、既存のシステムが問題なく動作することを確認してから、本格的な移行作業に着手しました。この際にバグの要因を細かく潰したことで、導入はスムーズに進みました」(菅沼氏)

2016年、同社はまずOA系システムが稼働する環境から構築・移行の作業を開始しましたが、その際の苦労は少なくなかったといいます。情報システム部 電子・基盤技術グループ マネージャーの舛田篤史氏は当時について次のように語ります。

「利用しているグループ会社・社員の数が多く、国も日本からアジアまで多岐にわたるため、それぞれの要件に対応しながら移行を進める必要がありました。また、OA系のシステムはネットワークやActive Directoryなど複数の要素がからむため、問題が発生したときの対応に不安がありました。そこでシトリックスのテクニカルリレーションシップマネージメント(TRM)を導入し、適宜アドバイスを受けることで、作業を円滑に進めることができました」

このようにして同社は構築・移行の作業を完了。残る基幹系3系統については、サーバーの更新時期に合わせて順次AWSへ移行し、2018年中にはすべてのプロジェクトを終わらせる予定です。

導入効果:グループ全体の標準基盤「alphaD」を構築環境の集約により運用負荷の軽減を実現

AWS上へCitrix Virtual Appsを構築・移行したことで、すべてのアプリケーション仮想化環境が「alphaD」に集約される運びとなりました。また、ベンダーも1社に統一されたことで、運用の標準化とノウハウの一元化が見込まれています。
現時点で得られた導入効果については、運用負荷の軽減やセキュリティの強化が実現した点にメリットを感じているといいます。

「サーバーやストレージ、ネットワークなどの面倒を見ることが少なくなり、運用負荷が軽減されました。また、ハードウェアの更新等に備える必要がなくなったため、コストについても最適化される見込みです。セキュリティや可用性のレベルも高くなり、アプリケーション仮想化基盤をより安全に利用できるようになったこともメリットです。さらには、リソースを必要なときに必要なだけ、すぐに調達できるようになりました」(樫村氏)

今後のプラン: さらなる標準化に向けて シトリックスにはノウハウの提供を期待

AGCでは現在、Office365の導入を進めており、アプリケーション仮想化環境での利用に向けた準備を進めていく予定です。また、シンクライアント端末に代わる端末としてARMベースのプロセッサを搭載したシングルボードコンピューター「Raspberry Pi」の採用も検討しています。
そして「alphaD」については、より標準化のレベルを高めていくことが今後の課題だといいます。
「標準化の範囲は想定していたほど高くなく、個別運用もまだ多く残っている状態です。今後、標準化の範囲が拡大すれば、Citrix Virtual Appsを利用するシステムも増えていくと思われます。シトリックスには、その際のノウハウの提供に期待しています」(大橋氏)

Citrixについて

Citrix(NASDAQ:CTXS)は、皆様のより良い働き方を推進し、安全な環境でイノベーションを活性化し、お客様との関係を深め、生産性の向上を加速させる統合型ワークスペース、ネットワーキング、アナリティクス・ソリューションを提供しています。
Citrixのお客様は、柔軟な働き方を実現し、IT部門は複雑なクラウド環境下においても、様々なテクノロジーを保護、管理、モニターする単一のプラットフォームを活用することが可能です。
Citrixの製品は、フォーチュン100企業の99%、フォーチュン500企業の98%を含む40万を超える企業や組織で活用されています。 Citrixの詳細については www.citrix.co.jpをご覧ください。

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シトリックスを活用したアプリケーション仮想化環境を AWS上に集約し、運用の煩雑さを解消しました
- 大橋 数也 氏

情報システム部 電子・基盤技術グループリーダー

AGC 株式会社

導入前の課題

  • クラウドファーストという 基本方針
  • アプリケーション仮想化環境が システムごとに稼働
  • 管理が煩雑化、運用面で 大きな負担に

導入後の効果

  • グループ全体の標準基盤 「alphaD」をAWS上に構築
  • 環境の集約により運用負荷を軽減、 セキュリティや可用性も強化
  • インフラリソースのより柔軟な 調達が可能に

導入製品・サービス

  • Citrix Virtual Apps
  • Citrixテクニカルリレーションシップ マネージメント(TRM)