テクニカルトレーナーの佐分利です。 今回はシトリックスの認定資格についてです。 皆さんは最近なにかの資格を取得されましたでしょうか。
シトリックスは現在 Virtualization 、 Networking 、 Mobility という3つの技術トラックそれぞれに資格をご用意しています。 Virtualization は XenApp / XenDesktop 、 Networking は NetScaler 、 Mobility は XenMobile にそれぞれ特化した資格体系になっています。さらに、 Virtualization の中にも CCA-V （アソシエイト）、 CCP-V （プロフェッショナル） 、 CCE-V （エキスパート） という3つのレベルが設定されています。
Virtualization 資格 XenApp / XenDesktop）
Networking 資格（NetScaler）
Mobility 資格 (XenMobile）
※ 現在 Networking は CCA-N と CCP-N のみ、 Mobility は CCP-V のみですが、今後それぞれすべてのレベルに応じた資格がリリースされる予定になっています。
さて、資格取得のメリットは説明するまでもないかもしれませんが、シトリックスの資格を取得すると何が得られるのか一度整理しておきたいと思います。もちろん以下に述べるもの以外にもたくさんのメリットがありますが、重要なものをまとめると以下の3点になります。
資格のメリットその1 〜技術力の証明になる〜
言わずもがなですが、いかに現場で経験があり場数をこなしていても、説得力をより高めるにはその経験を形にすることが大事です。目に見える形として、資格取得が一番の近道になります。シトリックスの試験の多くはシミュレーション（操作画面を使用し演習が必要な問題）が多数含まれ、暗記だけでは合格が難しくなっています。机上の知識だけでなくハンズオンの経験も求められるので、より正確な技術力の証明になると好評をいただいています。最近ではお客様からの RFP （提案依頼書）において、シトリックス資格保持を求められるケースも多くなっています。実践力を証明するために、シトリックスの資格取得をオススメします。
資格のメリットその2 〜知識の整理になる〜
現場で既にシトリックス製品のご経験がある方は、資格を取得する意味を見出しにくいかもしれません。しかし資格取得を目指すとなると、ソリューションの全体像から細かい仕様だけでなく、現在業務で必ずしも使用していない機能についても把握しておく必要が出てきます。ユーザーからアクセス、リソース、コントロール、そしてハードウェア、それぞれのレイヤーについて整理された知識を身につけることが求められます。そこで、今何を知っていて、何を知らないのか、改めて気付ける良い機会になります。実はこんな機能があったことに気づいた、今までこうしていたけどこれからはこっちの方がいいのではないかなど、知識の棚卸しに役立ちます。ご自分の学習の成果を目に見える結果として残すために資格取得を目指してみてはいかがでしょう。
資格のメリットその3 〜キャリアアップに繋がる〜
社内におけるキャリアアップのみならず、転職において資格保有の重要性も広く認知されていることと思います。世界で通用するIT関連資格によると、資格保有者の平均年収TOP25での順位でシトリックス資格の保有者は8位、16位、17位、 18位、19位、20位、22位にランクインされています。ワールドワイドにおいてシトリックス資格の認知度はベンダー資格の中でも突出して高いものとなっています。日本においても、 ITSS （ITスキル標準）に含まれています。資格取得によりスキルアップして昇給、昇進、転職などのキャリアアップがしやすくなるということですね。
さて、資格を取得するためには試験に合格する必要があります。今回はシトリックスの資格の中でも一番需要の多い、かつ取得者数の一番多い CCA-V 資格を取得するにあたっていくつかのTipsをテクニカルトレーナーである私がご紹介いたします。 CCA-V に限ったことではありませんが、本来はすべての資格試験は押さえておくべき内容が多岐にわたり、かつ実機での経験が必須なので、トレーニングコースを受講することが一番の近道になります。しかし、コースを受講する、しないに関わらず、以下のポイントを押さえておくことがまずは合格の必要条件となります。
合格のポイントその1 〜試験準備ガイドを確認する〜
まずは敵を知ることです。試験準備ガイドに試験時間や合格に必要な点数、出題範囲、シミュレーション問題についてなど、試験に関する情報がすべて記載されています。特に、どのような資料から問題が作成されたのかという情報は重要です。これらすべての資料を確認すれば必要な知識がすべて得られるはずです。ガイドの最後にはサンプル問題も載っています。レベル感を把握するためにも見ておいて損はないでしょう。 CCA-V 資格の準備ガイドはこちらです。
その他試験の準備ガイドも各試験ページに必ず準備されています。
※ http://education.citrix.co.jp/archives/cj_testing/managing-citrix-xendesktop-7-solutions
合格のポイントその2 〜シトリックスに関係する周辺技術について確認する〜
CCA-V はシトリックスの資格ではありますが、 XenApp / XenDesktop の特性上、様々な技術の上に成り立つため、周辺の技術についても問われます。例えば Windows 周りで挙げると Active Directory やグループポリシー、 RDS 、 IIS 、 SQL Server などが重要です。インフラ周りだと Hypervisor （主に XenServer について）やストレージ、さらにはネットワークについて、などが問われます。試験の問題の中には、純粋に Windows の関するものであったりインフラに関するものであったりが多く出題されます。こういった技術背景も XenApp / XenDesktop を管理する上で必要な知識だからです。もしシトリックスの勉強をしていてあまり馴染みのない用語や技術が出てきたら、ウェブの様々な情報を調べながら一緒に覚えてしまいましょう。いわゆる芋づる式戦法です。
合格のポイントその3 〜シミュレーション問題の対策をする〜
以前の CCA-V は選択式の問題のみ出題されましたが、現在はシミュレーション問題が6問出題されます。試験画面に Citrix Studio などの管理コンソールが表示され、指定された要件に基づいて画面を操作しタスクを完了する形式の問題です。つまり机上の知識だけでなく、 XenApp / XenDesktopの管理コンソール （ Studio , Director , StoreFront , Provisioning Services など）の操作方法をマスターしておくことが求められます。根本的な対策方法としては身体で覚える戦法しかないので、 XenApp / XenDesktop 7.x の検証環境を用意し、一通りの管理タスクを確認することがベストです。もちろん XenApp / XenDesktop 環境を構築するには基盤となるハイパーバイザーやActive Directory などが必要になります。ハードルが高いように思われるかもしれませんが、物理マシン一台に XenServer をインストールして、必要な Windows マシンを仮想マシンとして作っていけば簡単な XenApp / XenDesktop 環境が整います。 POC 環境を用意するようなイメージですね。高いサーバーマシンでなくても64bitの CPU でメモリが16GBほどあるワークステーションや PC なら大抵動きます（サポートされるとは限りません）。
※例えば Citrix Studio 上での様々なオペレーション方法について問われます。
以上が CCA-V 取得に最低限必要となるポイントです。最後に実際に資格を取得された方々のコメントをいくつかご紹介します。
「試験勉強をすることで自社の環境を管理するための幅広いスキルを体系立てて学習し身につけることができました。」
「お客様への提案や導入支援などに自信を持って取り組むことができるようになりました。」
「認定資格を取得することで、デスクトップ仮想化はこういう技術なので、こういう風に問題を解決できますと理論立てて説明できるようになりました。」
「仮想化全般の知識を身につけることができ、上位の資格をさらに目指すきっかけとなりました。」
ぜひシトリックスの認定資格の取得やトレーニングコースの受講をご検討ください。弊社および認定教育パートナー様にて様々なトレーニングをご提供しています。
プロフェッショナルサービス本部
エデュケーションサービス部
テクニカルトレーナー
佐分利 翔
保有資格：CCE-V , CCP-N , CCP-M
