Windows Server 2003 のサポート終了が迫っている事は最近のホットな話題です。

弊社旧来製品のCitrix Presentation Server(CPS)やバージョン6.5以前のXenApp Server (旧XenApp) を運用されているお客様にとっても避けては通れない話題です。 すでにこれらのシステムの 「 バージョンアップが決定している 」、 「 バージョンアップの検討中 」、 「 提案中 」 などのアクションを起こされているお客様やSIer様も多いのではないでしょうか。 今回は既存の CPS や 旧XenApp から XenApp / XenDesktop 7.x へバージョンアップする際のポイントをいくつか挙げたいと思います。

1.アーキテクチャの違いを理解する

ここでは敢えて詳細には触れませんが、 XenApp / XenDesktop 7.x はアーキテクチャや管理ツール等が統合されシンプルなインフラ構成で実現することが可能です。旧来の製品では XenApp と XenDesktop 別々の管理ツールで管理を行っていましたが、 一元的に管理が可能となり 、 更には クラウド環境への展開や、 Citrix HDX 機能強化により動画や 3D コンテンツ等の品質と性能が向上、 セッション事前起動、 残留セッション機能等のアプリケーションやデスクトップ アクセスに関する機能も強化されています。

参考 :

http://www.citrix.co.jp/products/xenapp/whats-new.html

http://support.citrix.com/proddocs/topic/xenapp-xendesktop/nl/ja/xa-xd-library-wrapper.html?locale=ja

CPS や、 旧XenApp に慣れ親しんだ方は多いと思います。 しかしながら、 XenApp / XenDesktop 7.x は、 上述のとおり、 これらの製品とはアーキテクチャが異なります。 現在使用している製品の機能と XenApp / XenDesktop 7.x  とでどのような違いがあるかを十分に理解しておく必要があります。  たとえば、 以下に記載する2点については特に注意が必要です。

・Web Interface から StoreFront へ中継サーバーの変更

Web Interface は EOL が発表されており、 今後は StoreFront への移行が推奨されます。 よって、 ライフサイクルを考慮しても StoreFront が合理的で、 今後移行が更に加速するでしょう。 Web Interface と StoreFront の機能の差異や、 ユーザーがアクセスした時の見え方にどのような違いがあるかを理解しておきます。

参考 : http://support.citrix.com/article/CTX139654

・データベースの可用性が重要

データベースはサイト全体の情報を保管しており、 従来のデータストアと異なりダウンすると新規ログオンが不可となるため、可用性を考慮する必要があります。( ※1 最新版のXenApp / XenDesktop 7.6 よりデータベースがダウンした際にユーザーへの影響を緩和させるために、 Connection Leasing が実装されています。)

参考 : http://support.citrix.com/article/CTX128837

 2.環境の調査を実施する

シトリックス コンサルティング は、 この環境の調査(アセスメント)をプロジェクト成功のための重要なプロセスとして実施しています。

CPS や 旧XenApp からバージョンアップする際には、  多くの場合に OS が 32bit から 64bit へ変更になります。 様々な視点から現在の環境調査、 分析を行い、 最適なユーザー集約数、 サーバー台数の算出(サイジング)を行います。 この工程を疎かにすると、 余剰リソースの多いコスト過剰な構成、 またはリソースの枯渇によるユーザーの満足度を著しく損なう構成に陥ります。 これは、  バージョンアップの時だけではなく新規の場合にも当てはまります。

  • サーバーのリソース使用量を測定する
  • アプリケーションの数をヒアリングする
  • アプリケーションを使用するユーザーの整理をする
  • アプリケーションの互換性を確認する
  • ネットワーク使用量を測定する
  • 現在の環境での課題や懸念事項のヒアリングをする

3.要件確認を実施する

「 現在、 運用しているので改めて確認の必要はないのではないか? 」 と思われている方や、 そのように言われた経験があるという方は少なからずいるのではないでしょうか。 しかしながら、 上記でも記載しているとおりアーキテクチャが変更になっている為、 必ずしも現在の環境のものが当てはまらない場合があります。 また環境を刷新するにあたり、 ユーザーや管理者などこれを期に解決したい課題を持っているケースが多く、 現在の環境構築時の要件にプラスしていく必要があります。 たとえば、 新しい環境で動画を閲覧する要件が追加となるようなケースでは、 XenApp / XenDesktop 7.x で新たにポリシーの使用を検討する必要があるかもしれません。 また、 XenApp / XenDesktop 7.x では、 前バージョンの XenApp6.5 の機能のうち、 一部実装されていない機能があります(例えば匿名アクセスやセッション事前起動 / 残留セッション機能)。 XenApp / XenDesktop 7.x の後続リリースでは実装されている機能もあるため、 バージョンアップに際してこれらの機能を採用する場合は、 刷新後のバージョンで実装されているか確認する必要があります。( ※1  最新版のXenApp / XenDesktop 7.6 で匿名アクセス、 セッション事前起動 / 残留セッション機能が実装されています。)

そのほかにも、以下に記載するような項目についてヒアリングを行うのが良いのではないでしょうか。 ユースケースは図化することで、 ユーザーへの説明を分かりやすくし、利用イメージを共有することができます。

  • システム刷新の目的を明確化する
  • 既存環境を設計した際の要件をおさらいする
  • 新規要件を確認する
  • ユーザー視点でのユースケースを確認する
  • 管理者視点でのユースケースを確認する
  • 他のシステムとの連携の有無を確認する
  • 外部デバイスやプリンタの確認をする

4.移行計画の策定をする

バージョンアップの方法として、 インプレース アップグレード(既存環境の上書きアップグレード)の方法と、 新規環境を構築して乗り換えることにより移行を図る方法と2種類あります。 Windows Server 2003で稼働しているCPS、 旧XenApp を使用している場合は、 残念ながらインプレース アップグレードの手段は採用ができず(インプレースの場合、 移行元のバージョンは比較的新しいリリースに限定されます)、 後者の手段をとる必要があります。 よって、 並行稼働期間を設ける必要があり、 その分のサーバーリソースを確保しなければならないと言う結論になります。 そして、 その為の準備をしなければなりません。(XenApp 6.5 から XenDesktop 7.6へアップグレードをする場合、 コントローラーは新規構築が必要ですが XenAppセッションホストにおいては、 アップグレードユーティリティを使用する方法と、 XMLファイルをExport / Importしてアップグレードする方法を選択する事ができます。)

プロジェクトのスケジュールに沿って、 環境がどのように遷移し、 ユーザーが2つのシステムをどのようにアクセスして使用するのかを整理しておくことが大切です。 たとえば、 現在と新規の環境2つのシステムが稼働し始める時から、 それぞれのシステムにどのようなイベントが発生するのかをマイルストーンのような形で目に見える状態にしておいたり、  環境の遷移をイベント毎に図化しておくと、  それまで目に見えていなかった潜在的なリスクを発見することができ、 この先どのような準備や検討をしなければならないのか、 早い段階で認識しておくことに役立ちます。

参考 :

http://support.citrix.com/proddocs/topic/xenapp-xendesktop-75/nl/ja/cds-update-existing-1.html?locale=ja

/blogs/2013/06/21/xendesktop-7-upgrade-migration-paths-for-xendesktop-and-xenapp-customers/(英語)

 まとめ

XenApp / XenDesktop 7.x へバージョンアップするにあたってのポイントを挙げさせていただきました。 アーキテクチャを理解することは当然ながら、 それ以外の設計までにおける3つのポイントも重要となり、 プロジェクトを成功させるためにはとても大切です。 これらの手法は、 シトリックス コンサルティング 独自のメソドロジーに基づいて実施しており、 この後のフェイズで実施される設計や構築にも用いられます。

シトリックス コンサルティング では、 これらの手法を用いたプロジェクトを多数実施しており、お客様より評価していただいておりますので製品と併せてご活用いただければと思います。

コンサルティング サービスについて はこちらから → http://www.citrix.co.jp/support/consulting.html

また、 シトリックス コンサルティング メソドロジーに基づき学習する事ができる、 「 管理 」、 「 構築 」、 「 設計 」 のコースを、 エデュケーションサービスでも提供しています。 これを期に受講されてみてはいかがでしょうか。

エデュケーション サービスについてはこちらから → http://www.citrix.co.jp/education

CXD-203 Managing App and Desktop Solutions with Citrix XenDesktop 7 ( 管理コース )

http://www.citrix.co.jp/education/training/details.php?NO=285

CXD-300 Deploying App and Desktop Solutions with Citrix XenDesktop 7 ( 構築コース )

http://www.citrix.co.jp/education/training/details.php?NO=286

CXD-400Designing App and Desktop Solutions with Citrix XenDesktop 7 ( 設計コース )

http://www.citrix.co.jp/education/training/details.php?NO=287

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※1 最新バージョンの XenApp7.6 / XenDesktop 7.6 最新機能についての詳細は下記をご確認ください。

参考 :
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シトリックス ・ システムズ ・ ジャパン 株式会社

コンサルタント

百瀬 利充