HDX 3Dとは少し前まで2D/3Dも含め画像パフォーマンス最適化技術全般を指していましたが、このたび、HDX RichGraphicsと名前が変わりました。

http://hdx.citrix.com/hdxrichgraphics

その中でHDX 3D Pro Graphicsという技術が3DグラフィックアプリケーションなどのハイエンドグラフィックアプリケーションをWAN回線を含むリモートから扱えるようにしたものになります。ポイントは二つです。

  1. 描画性能の向上:GPUによる描画処理そのものハードウェアアクセラレーション
  2. 転送データの高圧縮:GPUによる転送する画像のさらなる高圧縮

従来このようなアプリケーションをリモートから画面転送で利用する場合は、描画命令のGPUによるハードウェアアクセラレーション処理をCPUでエミュレーションするために性能がでませんでした。また3Dモデル画像など複雑なイメージを大量に転送するような場合には使用するネットワーク帯域が問題になり、特にWAN環境においての実用性は皆無でした。HDX 3D Pro Graphicsでは、GPUのレンダリングハードウェアアクセラレーションとレンダリングされた画像をGPUを使って高圧縮を行うことにより、性能とネットワーク帯域の最適化の二つの問題を解決することに成功しました。

アーキテクチャとしては一つのユーザーセッションにつき、一つの専用ハードウェア/グラフィックボードを占有するアーキテクチャになります。サーバー仮想化技術はまったく応用していませんが、アプリケーションの変更は必要ありません。リモートアクセスする対象のワークステーションにXenDesktopのVDAとHDX 3D用の専用モジュールをインストールして、あとは通常のXenDesktopの枠組みでデスクトップグループを構成するだけです。描画レンダリングのアクセラレーション自体はグラフィックボードの制限はありません。DirectXだけでなくOpenGLも対応します。

画像転送のための圧縮を行うには二つのモードがあります。GPUモードとCPUモードと呼ばれます。GPUモードにおいてはGPU処理を使って高圧縮を行います。これを利用する場合はnVidiaのCUDAという計算ライブラリ対応のグラフィックドライバを利用してかつGPUコアが96コア以上のグラフィックボードである必要があります。GPUモードを利用する場合には圧縮してデータを復元するのに専用のクライアントソフトウェアが今のところ必要になります。CPUモードでは通常のシトリックスのonline plug-inで動作します。

実際に圧縮をしない状態で3Dモデリング画像をぐりぐり回転などをさせてみると10Mbps以上の帯域を消費することがありますが、同じ条件でGPUモードで圧縮してみると1/5程度になることがあります。また画質のトレードオフで1/10程度にすることもこの技術では可能になっています。

この技術の用途として、高価なグラフィクワークステーションを集約管理して管理工数やリソース効率を高めることができます。実際のネットワーク使用効率が高くWAN経由でアクセスできるのはこのHDX 3Dだけになります。また、導入においては利用するアプリケーションのリモートアクセスにおけるライセンス体系やサポートに関しては確認する必要があります。今まではWANアクセスが実用的でなかったため、アプリケーションベンダーがリモートアクセスについてWAN経由のアクセスを許諾していないケースもあるかもしれませんが、こういった状況は徐々に改善してくると考えます。

ドキュメント

XenDesktop 4 HDX 3D for Professional Graphics 1.1 – Administrator’s Guide(英文)
http://support.citrix.com/article/CTX124443
XenDesktop 4 HDX 3D for Professional Graphics 1.1 – Release Notes(英文)
http://support.citrix.com/article/CTX124442
HDX 3D Pro Graphics User Guide – For XenDesktop 4 and Later(英文)
http://support.citrix.com/article/CTX124441
HDX 3D for Professional GraphicsのトラブルシューティングガイドHDX 3D for Professional Graphicsのトラブルシューティングガイド
http://support.citrix.com/article/CTX124198