先週行われたシトリックスのイベントSynergyで、Citrix XenClientが発表されましたが、参加できなかった方のために概要をここで説明したいと思います。Citrix XenClient Expressは無償で提供されている開発中の製品(RC版)で、下記の3つのコンポーネントで構成されています。将来はCitrix XenDesktopの一部としても提供される予定となっています。
1. XenClient ベアメタルハイパーバイザー
XenServerで採用されているXenハイパーバイザーをベースに、Intel VT-x, VT-dを利用しているType1ハイパーバイザーで、仮想化ソフトウェアをインストールするためにOSが必要なType2ハイパーバイザーと比べてセキュリティ、パフォーマンスの点で優れています。また、一つの仮想マシンからグラフィックスカードにパススルーでアクセスすることができます。これにより、高解像度グラフィックスアプリケーションも動作することが可能です。
また、仮想マシン上で動作するアプリケーションウインドウを他の仮想マシンのデスクトップに画面転送させることも可能です。これにより、よりセキュアにアプリケーションを使用することが可能となります。
2. Citrix Receiver for XenClient
Citrix Receiver for XenClientは、作成した仮想マシンのイメージを管理サーバー(Synchronizer)にアップロードしたり、同期したり、ダウンロードしたりします。これにより、IT管理者は一つだけイメージ作成用のXenClientマシンを用意しておき、仮想マシンを作成し、イメージを管理サーバー(Synchronizer)に登録しておけば、XenClientが入っている他のマシンより管理サーバーにアクセスするだけで、仮想マシンを配信することができます。
3. Synchronizer for XenClient
仮想マシンのイメージを管理しておくサーバーコンポーネントで、XenServerの仮想アプライアンスとして提供されます。配信する仮想マシンにリースする期間の設定やイメージのバックアップスケジュール、USBデバイス等へのアクセス制御などを設定することが可能です。
その他有用な情報
スペック
XenClient ExpressのRC版のダウンロード
マニュアル
ユーザーフォーラム
是非お試しください。
Kimihiko Kitase
Lead Product Marketing Manager
twitter: @kkitase
仮想化技術情報wiki: http://v12n.jp